英国で2026年5回目の熱波に高温警報発令、イングランドの7割で干ばつ発生

(英国)

ロンドン発

2026年08月17日

英国のイングランド全域で8月11日から14日にかけて、2026年5回目となる熱波到来に伴い、高温警報(アンバー色、注1)が発令された。気象庁によると、8月13日には、ロンドン西部のキュー・ガーデンズで2026年最高となる38.1度が観測された。

アンディ・バーナム首相は8月12日、熱波や山火事、干ばつの影響拡大を受け、緊急対策を議論する危機管理委員会(COBRA会議)(注2)を開催。首相官邸のスポークスパーソンは、「山火事と闘う消防士、干ばつの中で働く農家、そして多忙な救急外来で働くNHS(国民医療サービス)のスタッフにとって厳しい状況だ」と言及し、「地域社会の安全を確保し、水供給を守り、環境を保全するために必要な措置を講じていく」と表明した(8月12日付BBC)。

イングランド南部ハンプシャー州のニューフォーレスト国立公園で8月9日に発生した山火事は、8月13日時点でも約130人の消防士が消火活動に当たっている。全国消防署長協議会(NFCC)によると、イングランドとウェールズでは、2026年既に1,017件の山火事が発生している(8月13日付BBC)。バーナム首相は、さらなる山火事を防ぐため、山火事の原因となり得る、使い捨てバーベキューコンロの販売中止を要請した。

全国干ばつ対策グループは8月10日、少雨と高温により、イングランドの71.3%で急速な干ばつが発生していると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。国内全地域で水資源への負担が高まっており、農業、公共給水、航行、環境の各分野で影響が拡大していると警告した。

看護師らで構成する労働組合の王立看護協会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(RCN)は8月13日、「病院や介護施設の室温が頻繁に30度を超えている」「エアコンや扇風機もない」など、看護スタッフと患者の双方が「人間が暮らすには適さない」環境に置かれているとして、緊急の対策を求めた(注3)。

英国気象庁は8月11日、2026年の夏が1884年の観測開始以来、もっとも暑い夏となる可能性が高いと発表した。気象庁のマイク・ケンドン上級科学者は「英国の気候に著しい変化が生じていることをはっきりと示している」と指摘した。

(注1)気候健康警報システム(Weather-Health Alerting system)は、英国の保健安全保障庁と気象庁により、気温が住民の健康に影響を及ぼす恐れがある場合に警報を発する。警報は黄色(対応)、アンバー(こはく)色(対応強化)、赤色(緊急対応)の3段階。

(注2)正式にはCabinet Office Briefing Roomsと呼ばれ、英国政府が大規模な危機や壊滅的な緊急事態に対応する際に意思決定を行うハイレベルな危機管理会議。

(注3)英政府の独立諮問機関である気候変動委員会は2026年5月20日、気候リスクへの対応に関する報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、2035年までに全ての医療施設で安全かつ適切な温度を維持できるよう、エアコン設置などの対策が必要だとしている。

(森詩織)

(英国)

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