アンソロ・エナジー、米ケンタッキー州で高機能ポリマー電解質製造工場を新設
(米国)
シカゴ発
2026年08月24日
次世代バッテリー技術を開発する米国のスタートアップであるアンソロ・エナジー(本社:カリフォルニア州)は8月19日、米国ケンタッキー州ルイビルで高機能ポリマー電解質製造施設の建設に着工したと発表した。同社によると、この工場は米国企業の所有・運営による初の大規模な高機能ポリマー電解質の製造施設とのことで、約4,000万ドルが投じられる。新施設の建設により、バッテリー材料サプライチェーンを強化し、次世代のエネルギー貯蔵、輸送、民生用電子機器、ロボット工学、防衛技術を支える先進バッテリー材料の米国での生産を拡大することをねらう。稼働は2027年後半を予定しており、約110人のフルタイムの製造・技術職、建設期間を通じて約390人の建設関連雇用を創出すると見込まれている。
本工場では年間約1万2,000メートルトン(注)の先端技術を使用した高機能ポリマー電解質を生産する見込みであり、これは最大25ギガワット時(GWh)のリチウムイオン電池生産を支えるのに十分な量となる。アンソロ・エナジーが開発した高機能ポリマー電解質である注入型の相変化ポリマー電解質(Injectable Phase-Change Electrolyte, IPCE)は、従来の液体電解質よりもバッテリーの安全性が向上し、エネルギー密度が高まることが期待できるという。また、不燃性で折り曲げ可能な素材であることからバッテリー設計の柔軟性が拡大すると同時に、既存のリチウムイオン電池製造設備に変更を加えずに使用できる。なお、同施設では稼働当初から、原材料に「懸念対象外国企業(FEOC)」由来ではない原材料を使用する予定。これにより、バッテリー材料の国内供給網強化や、特定外国企業に支配された原材料やサプライチェーンへの依存低減につながるとしている。
今回の施設建設について、起工式に出席したケンタッキー州のアンディ・ベシア知事(民主党)は「当州は先進製造分野において引き続き全米をリードしており、本日の起工式は、当州にとってまた1つ画期的な前進を意味する」と述べた。
また、同社のデイビッド・マッカニック最高経営責任者(CEO)は「米国国内で先進的な電解質を生産することで、より強靭(きょうじん)な国内サプライチェーンの構築に貢献すると同時に、より安全で高性能な次世代バッテリーの実現を可能にする」と述べた。
(注)メートルトン:メートル法による質量単位で1,000キログラムに相当。
(星野香織)
(米国)
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