フィリピン大統領が2026年施政方針演説

(フィリピン)

マニラ発

2026年08月13日

任期満了を2年後に控えるフィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は7月27日、年1回の施政方針演説を行った。今回の演説では、洪水対策事業を巡る汚職問題や中東情勢の影響などを背景とした国内物価対策、家計支援、教育や福祉などに重点が置かれる一方、電気自動車の普及実績や普及率の目標など、エネルギー分野の政策にも言及した。

さらに、ASEAN内でも高水準とされる電気料金について、配電事業者が送配電ロスに係る費用を電力販売価格へ上乗せする仕組みを見直すための法改正や、家庭での太陽光発電パネルや蓄電設備の導入を支援する法案の成立を議会に求めた。これを受け、フィリピンのエネルギー省は8月5日、家庭用の小規模な太陽光発電システムの設置に際して必要だった建築許可や適合証明書を不要とするなどの規制緩和を発表した。

また、外国投資や対外関係については、半導体などの安定的なサプライチェーンの構築を目的とする米国主導の構想「パックス・シリカ」のほか、ルソン経済回廊、ASEANデジタルフレームワーク、ASEANパワーグリッドへの参加にも言及した。

このほか、製薬、先端製造業、高級消費財、テクノロジー、物流を重点投資分野として挙げ、戦略的な投資誘致を進める考えを示した。

同大統領は、2026年5月、既に税制優遇措置の対象となる産業などを定める新たな「戦略的投資優先計画(SIPP)」を承認している。

SIPPに関する説明会を開催したフィリピン貿易産業省の傘下にある投資委員会(BOI)によると、SIPPに基づく優遇措置を通じて、製造業の高度化、情報通信技術、デジタルインフラ、クリーンエネルギー、サーキュラーエコノミー(循環型経済)関連分野、重要鉱物などの分野で、新たなビジネス機会の創出を目指している。BOIは、これらの分野は、日本企業が技術的優位性や高い競争力を有する分野であるとして、日本企業による積極的な投資に期待を示している。

(後藤崇、フェリシア・インペリオ)

(フィリピン)

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