重要鉱物の投資拡大で2050年までにGDPは1,921億レアル増との試算

(ブラジル、米国、中国)

サンパウロ発

2026年08月06日

ブラジル米国商工会議所(AMCHAM)は8月4日、ミナスジェライス州ベロオリゾンテ市で開いた会合で、重要鉱物・レアアースのサプライチェーンへの投資拡大がブラジル経済に及ぼす効果に関する調査報告書を公表した(注1)。報告書は、2026年から2050年までの累積の経済効果を2つのシナリオで試算している。

第1のシナリオでは、投資を国内資本のみで賄い、鉱物資源を主に輸出向けに開発し、国内での付加価値付与が低いままの状態を想定した。この場合、累積のGDP押し上げ効果は1,287億レアル(約3兆9,897億円、1レアル=約31円)、雇用創出効果は約30万4,000人と試算された。

一方、第2のシナリオでは、国内資本に加えて海外直接投資の流入を想定するとともに、鉱物の輸出だけでなく国内での精製・加工能力の拡充や関連産業による利用拡大を前提とした。この場合、GDP押し上げ効果は1,921億レアル(約5兆9,551億円)、雇用創出効果は75万人に達すると見込まれている(注2)。両シナリオの差は、海外資本の誘致と国内サプライチェーンの高度化による上積み分で、GDPで634億レアル、家計消費で323億レアル、雇用で44万6,000人に相当する(注3)。

AMCHAMのファブリジオ・パンジーニ公共政策・政府渉外担当ディレクターは8月4日付の現地紙「バロール」のインタビューで、海外資本の重要性について言及した。同氏は、中国について「既に成熟したサプライチェーンを構築しており、今後は国際的な投資を縮小する可能性が高い」と述べた。また、米国については、「ブラジルは豊富な鉱物資源、伝統ある鉱業分野、精錬・加工能力を有しており、両国の利害は一致している」と指摘した。そのうえで、ブラジルが対米関係を排他的な提携として扱う必要はなく、あらゆる種類の投資を受け入れる姿勢を保つことが重要だとの見方を示した。

(注1)対象鉱物は銅、グラファイト、リチウム、ニッケル、レアアース。調査はミナスジェライス連邦大学のエドソン・パウロ・ドミンゲス教授およびジュイス・デ・フォーラ連邦大学のアドミール・ベタレリ・ジュニオール准教授が実施した。

(注2)調査は、将来の需要見通しと既存の投資計画を基に経済効果を試算した。第1のシナリオでは、2026~2030年に205億ドルの国内投資を想定している。第2のシナリオでは、これに加え、同分野に投じられる資本に占める外資の比率が現状の約4%から15%に上昇すると想定した。追加的な海外直接投資の金額は示されていない。

(注3)州別のGDP押し上げ率(第2のシナリオ)は、パラー州16.0%、バイア州10.3%、ゴイアス州10.0%、ピアウイ州4.0%、ミナスジェライス州3.8%。国内加工の拡大により、サンタカタリナ州、ミナスジェライス州、サンパウロ州、パラナ州で第1のシナリオからの上積みが大きい。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、米国、中国)

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