香港証券取引所、競争力強化に向け、上場規則を改定
(香港、中国)
香港発
2026年08月06日
香港証券取引所(HKEX)の完全子会社である香港聯合交易所は7月24日、香港の上場制度の競争力強化に向けた提案に関する協議結果
を公表した。香港聯合交易所は、同提案について3月13日から5月8日にかけて意見募集(パブリックコメント)を実施し、73件の意見を受理し、提案は強い支持を得たとした。
協議結果を踏まえて同提案を一部修正・明確化した新たな上場規則は、本公表と同時に発効した。主な内容は次のとおり。
〇加重議決権株式(WVR:Weighted voting rights、注)方式で上場を目指す場合、旧要件では(ア)時価総額400億香港ドル(約8,000億円、1香港ドル=約20円)以上、または、(イ)時価総額100億香港ドル以上かつ直近の監査済み事業年度の売上高が10億香港ドル以上とされていた。新要件では、(ア)時価総額200億香港ドル以上、または(イ)時価総額60億香港ドル以上、かつ直近の事業年度の売上高が6億香港ドル以上に引き下げられた。
〇上場時のWVRの保有比率について、旧要件では原則10%以上とされていた。新要件でも、これを原則としながらも上場時におけるWVRの価値が40億香港ドル以上となる場合に限り、同保有比率を5%以上とすることを認めた。
〇WVR株式の議決権倍率の上限について、旧要件では10倍までだった。新要件でも、これを原則としながらも、上場時の時価総額が400億香港ドル以上の場合、同倍率の上限を20倍までとすることを認めた。
〇香港域外で上場する企業によるセカンダリー上場について、WVR方式を採用する上場の場合、旧要件では、適格取引所における規則順守実績が2年間あり、かつWVRを伴うプライマリー上場と同一の財務上の適格性基準を満たすことを求めていた。新要件では、財務上の適格性基準を、WVRによるプライマリー上場に適用される新要件の基準と同水準に引き下げるとした。また、WVR方式を採用しない上場の場合、旧要件では、(ア)適格取引所または承認証券取引所において、規則を順守した上場実績が5年間ある場合は時価総額30億香港ドル以上、(イ)適格取引所において、規則を順守した上場実績が2年間ある場合は時価総額100億香港ドル以上とされていた。新要件では、(イ)の基準における時価総額100億香港ドルの基準を、60億香港ドルに引き下げた。
HKEXの上場部門責任者である伍潔鏇(キャサリン・ン)氏は、今回の改革について「健全なコーポレートガバナンスと投資家保護を維持しつつ、資本市場への参入手段を拡大することでより幅広い優良企業が香港に上場できるようになり、投資家にとっての機会を充実させ、香港のグローバルな上場拠点としての地位をさらに高めていくことにつながる」とした。
なお、香港証券取引所は上場制度の見直しを継続し、さらなる改革の可能性がある分野について、今後、第2段階の意見募集文書を公表予定としている。
(注)1株当たりの議決権について、普通株式よりも多くの議決権が与えられた株式のこと。
(越川剛)
(香港、中国)
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