米国際貿易委、サムスン電子製モバイル電子機器に関する337条調査を開始

(米国、日本、韓国)

ニューヨーク発

2026年08月18日

米国国際貿易委員会(USITC)は8月12日、1930年関税法337条(以下、337条)に基づき、サムスン電子(本社:韓国・京畿道)製のモバイル電子機器に関する調査を開始PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)したと発表した。

337条に基づく調査(以下、337条調査)は、USITCが企業などからの申し立てを受けて不公正な輸入を取り締まるために実施する。特に輸入品による知的財産権の侵害に関する申し立てが多い。調査の結果、337条への違反が認められた場合、USITCは侵害品の輸入差し止めを米国税関・国境警備局(CBP)に指示する「排除命令(Exclusion Order)」や、米国内での販売、流通、在庫処分などの行為を禁止する「差し止め命令(Cease and Desist Order)」などの救済措置を発令する権限を有する(注1)。USITCが発令する救済措置は、発令と同時に効力が生じる。その後、発令日から60日以内に米国通商代表部(USTR)が政策上の理由により不承認としない限り、当該命令は最終確定となる。

今回の337条調査は、マクセル(本社:京都府大山崎町)による7月10日付の申立書と7月24日付の修正申立書を受けて開始された。マクセルは、自社の特許がサムスン電子製の米国向けモバイル電子機器(スマートフォンおよびタブレット)の輸入および販売により侵害されていると主張し、サムスン電子の337条違反を申し立てた(注2)。その上で、USITCに当該製品に対する排除命令と差し止め命令の発令を求めた(注3)。

サムスン電子による337条違反の有無は、行政法判事による審理手続きおよびUSITCによる審査を経て判断される。またUSITCは、調査開始後45日以内に調査完了の目標期日を設定する。なお、マクセルは2024年12月~2025年1月にもサムスン電子製のモバイル電子機器を対象として別の特許群に基づく337条調査を申し立てて外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおり、本件は現在、USITCによる最終判断が行われている。今回の調査開始は、両社間の知的財産権を巡る紛争が継続していることを示す動きといえる。今後の審理の進展とともに、対象製品の米国市場アクセスへの影響が注目される。

(注1)特定の状況下においては、調査完了前に一時的な排除命令や差し止め命令といった暫定的な救済措置をとる場合もある。

(注2)本調査の被申立人はサムスン電子に加え、その米国子会社のサムスン・エレクトロニクス・アメリカ(本社:ニュージャージー州)となっている。

(注3)排除命令には、被申立人による侵害製品の輸入を禁止する「限定的排除命令(Limited Exclusion Order)」と、被申立人に限らず侵害製品全般の輸入を禁止する「一般排除命令(General Exclusion Order)」がある。今回マクセルが発令を求めたのは前者。

(清野華蓮)

(米国、日本、韓国)

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