チリ外相が訪日、重要鉱物の高付加価値化と対チリ投資拡大を呼びかけ
(チリ、日本)
サンティアゴ発
2026年08月31日
チリのフランシスコ・ペレス・マッケンナ外相は、日本訪問中の8月26~28日にかけて、日本政府関係者や主要企業幹部と相次いで会談し、両国の経済関係強化や対チリ投資拡大に向けた働きかけを行った。
ペレス外相は8月28日、茂木敏充外相と会談した。茂木外相は、チリとの間で経済、防災、天文学、科学技術、防衛など幅広い分野で協力が進展していることに言及するとともに、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の下で、重要鉱物の供給国であるチリとのサプライチェーン強靭(きょうじん)化に向けた協力が進展していることを歓迎した。これに対しペレス外相は、日本の高度な技術の導入を通じて鉱物資源の高付加価値化を進めたい考えを示し、両国は重要鉱物をはじめとする経済安全保障分野で戦略的協力を深化させていくことを確認した。
チリ外務省によると、日本はチリにとって第4位の貿易相手国であり、アジア最大の投資国でもある。2026年上半期(1~6月)の2国間貿易額は60億ドルを超え、前年同期比11%増加した。また、日本からチリへの投資残高は70億ドルを上回っている。両国は約130年にわたる外交関係を有しており、ペレス外相は日本との関係を「歴史的な同盟関係」と位置付けた。
ペレス外相は8月26日、山田賢司経済産業副大臣と会談し、チリ産品の日本市場への参入拡大や2国間経済関係のさらなる強化について協議した。会談では、重要鉱物、再生可能エネルギー、グリーン水素、アグリビジネス、先端技術分野が今後の有望な協力領域として取り上げられた。ペレス外相は、チリと日本の経済は相互補完的であり、現在の貿易構造をさらに多様化できる可能性が大きいと強調した。日本は乗用車やタイヤ、貨物自動車、重機などを輸出し、チリは銅、モリブデン、サーモン、豚肉などを輸出している。
さらにペレス外相は、今回の訪日を対チリ投資誘致の機会としても位置付けた。日本企業に対し、企業減税や大型投資案件に対する税制安定化措置、許認可手続き迅速化などを盛り込んだ「経済社会復興・開発法案」を紹介し、チリの投資環境の改善をアピールした。さらに、日本はチリのエネルギー転換やサプライチェーン多角化における戦略的パートナーであると述べ、日本企業によるさらなる投資拡大への期待を表明した。
ペレス外相は8月26日、ジェトロの石黒憲彦理事長とも会談した。ペレス外相は、日本企業による対チリ投資拡大や鉱物資源の高付加価値化、デジタル・人工知能(AI)分野での協力強化への期待を表明した。石黒理事長は、日本企業のチリ市場への関心は高く、同国の投資環境や制度面は高く評価されていると説明するとともに、日本企業関係者のビザ取得手続きについて一層の迅速化を求めた。
(高橋英行)
(チリ、日本)
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