トランプ米大統領、石英製カウンタートップなど対象にセーフガード措置発動へ、8月15日から4年間

(米国)

ニューヨーク発

2026年08月04日

米国のドナルド・トランプ大統領は7月31日、石英製カウンタートップなどの石英表面製品(QSP)に対する緊急輸入制限(セーフガード)措置として、関税割り当て(TRQ)を発動する大統領布告を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2026年8月15日米国東部標準時午前0時1分以降の輸入から適用される。

米国国際貿易委員会(USITC)は2025年11月、QSPの国内製造業者からの要請に基づきセーフガード調査を開始した。そして2026年5月、QSPの輸入増加が国内産業に深刻な損害を与えていると認定し、TRQによるセーフガード措置の導入を勧告する報告書をトランプ大統領に提出した。今回の措置はこれらの調査結果に基づく。

発表によると、TRQの対象は米国関税分類番号(HTSUSコード)が6810.99.0020、6810.99.0040、および7020.00.6000に分類される品目のうち、石英やガラス粉末などから製造されたカウンタートップや床材、タイルなどの製品。対象にはシンクや家具などに組み合わされた製品も含まれる。TRQの発動期間は2026年8月15日から4年間で、最初の1年間は、四半期ごとに約325万平方メートルの輸入枠が設定され、その枠内の輸入品には25%、枠外の輸入品には50%の関税が課される(注1)。その後は、1年ごとに輸入枠が拡大されるとともに、枠内・枠外ともに関税率が段階的に引き下げられる(注2)。

セーフガード措置は原則として全ての国・地域からの輸入を対象とする。しかし米国と自由貿易協定(FTA)を結んでいるオーストラリア、カナダ、コロンビア、イスラエル、メキシコ、パナマ、ペルー、シンガポール、韓国に加え、米国・中米諸国・ドミニカ共和国自由貿易協定(CAFTA-DR)締結国(注3)、カリブ海経済復興法(CBERA)の受益国(注4)、発展途上国(注5)からの輸入は原則として対象外とされた。また布告は、米国通商代表部(USTR)に対し、QSPの輸入について貿易相手国・地域と交渉する権限を与えた。さらに、QSPの輸入が国内産業を損なわないような協定を米国と締結した貿易相手国・地域に対し、TRQからの除外を含む優遇措置を講じることができると定めた。

今回のQSP導入について、一部の連邦議会議員から懸念の声が上がっている。キャサリン・コルテス・マスト上院議員(民主党・ネバダ州)やジャッキー・ローゼン上院議員(民主党・ネバダ州)、アダム・シフ上院議員(民主党・カリフォルニア州)、ラジャ・クリシュナムールティ下院議員(民主党・イリノイ州)などが、セーフガードの導入が国内のQSP加工業者や住宅市場に悪影響を与える可能性があるとの懸念を示した(通商専門誌「インサイドUSトレード」8月3日)。また、石英のカウンタートップの加工や設置に携わる米国内の中小企業で構成される業界団体「セーブ・クオーツ・ジョブズ」は、今回の措置によって米国内で入手可能な石英の供給が減少し、価格上昇につながるとの懸念を示した(政治専門紙「ポリティコ」8月3日)。

(注1)各四半期での輸入量が割当枠を下回った場合、翌四半期に繰り越される。

(注2)各年次(8月15日~翌年8月14日)における割当枠および関税率の詳細は、布告の付属書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

(注3)コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、ドミニカ共和国。

(注4)カリブ海のアンティグア・バーブーダ、アルバなど17カ国・領土を原産とする製品を無税で米国に輸入できる制度。

(注5)ただし、TRQの総輸入量に対して、対象となる発展途上国(1カ国)からの輸入が3%を超えた場合や、輸入シェア3%未満の対象発展途上国からの輸入が合計で9%を超えた場合などは、セーフガード措置の対象となる。

(滝本慎一郎)

(米国)

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