インド準備銀行、政策金利を据え置き、GDP成長率見通し引き上げも慎重姿勢を維持
(インド)
ムンバイ発
2026年08月10日
インド準備銀行(RBI、中央銀行)は8月5日、金融政策決定会合(MPC)の結果、政策金利(レポレート)を5.25%に据え置くことを全会一致で決定した
(添付資料図参照)。2025年末の利下げ以降、4会合連続の据え置きとなる。政策スタンスも「中立(neutral)」を維持した。
RBIは据え置きの理由として、インフレ動向や世界経済を巡る不確実性を挙げている。サンジャイ・マルホトラ総裁は、南西モンスーンやエルニーニョ現象による農業への影響、地政学的リスク、世界の通商政策を巡る不透明感が残る中、今後の政策変更には状況のさらなる慎重な見極めが必要との認識を示した。MPCは、インフレ率の推移やその構成要因についてより明確な判断材料が得られるまで、慎重姿勢を維持するとしている。
一方で、RBIはインド経済の先行きには強気の見方を示しており、2026年度(2026年4月~2027年3月)の実質GDP成長率見通しを従来の6.6%から6.7%へ引き上げた。堅調な個人消費や投資活動に加え、サービスおよび財輸出の回復が景気を下支えしていると評価した。物価見通しについては、2026年度の消費者物価指数(CPI)上昇率予測を5.1%から5.0%へ引き下げた。ただし、中東情勢の緊迫化による原油価格の変動や、エルニーニョ現象に伴う降雨不足などが今後のインフレ上昇要因となる可能性があると指摘している。
地場格付け会社ICRAのチーフエコノミスト、アディティ・ナヤル氏は「経済全体にインフレ圧力が拡大していることを示す根拠は現時点で限定的であり、今回の据え置きは既定路線である」と述べている(「エコノミック・タイムズ」紙2026年8月5日)。
(野本直希)
(インド)
ビジネス短信 9195a53c40e42b6b





閉じる