IEA、世界の石油需要見通しを下方修正、在庫急減で需給は逼迫

(中東、世界)

調査部中東アフリカ課

2026年08月13日

国際エネルギー機関(IEA)は8月12日、石油市場報告(2026年8月)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。2026年の世界の石油需要は日量160万バレル減少すると予測しており、前月から見通しをさらに51万バレル引き下げた。ホルムズ海峡の事実上の封鎖の継続による供給制約と、高止まりする原油価格が石油需要を押し下げていると説明する。需要が増加に転じるのは2026年第4四半期以降という。

7月の世界の石油供給量は日量1億150万バレルで、前月比で240万バレル増加したが、前年同月比では630万バレル少ない水準にとどまった。湾岸地域では、米国・イスラエルとイラン間の紛争開始前の水準を日量830万バレル下回っている。2026年7月に世界の石油総在庫は6,900万バレル急減し、79億バレルを下回った。紛争が開始した2026年2月末から7月末までの在庫の累計減少幅は4億1,000万バレルとなった。

IEAは需給のバランスについて、2026年第3四半期には日量180万バレルの供給不足になると見込む。供給不足量は前月報告時の予測の2倍超に拡大した。需要見通しは下方修正されたものの、供給制約や在庫減少により石油市場の需給は引き続き逼迫する見通しだ。IMF「ポートウォッチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によれば、ホルムズ海峡の7月中旬以降の船舶通航量は1日当たり10隻を切り(注)、バブ・エル・マンデブ海峡の通航量も7月17日をピークに減少傾向にある。輸送の停滞が、中東産原油・石油製品の供給制約を長引かせる要因となっているとみられる。

IEAは、2027年には需要、供給ともに回復を見込む一方、ホルムズ海峡の事実上の封鎖の長期化や中東情勢の悪化が供給回復の重しとなる可能性を指摘している。

中東情勢をめぐる最新動向は「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」を参照。

(注)「ポートウォッチ」の統計はAIS(船舶自動識別装置)に基づいており、AISを停止して航行している船舶は含まれない。

(塩川裕子)

(中東、世界)

ビジネス短信 7c4cddca55622c41