ルーマニア政府、先端技術開発への支援制度「TechUp Romania」を承認
(ルーマニア)
ブカレスト発
2026年08月27日
ルーマニア政府は8月20日、財務省の提案に基づき、先端技術開発への支援制度である「テックアップ・ルーマニア(TechUp Romania)」の創設を承認した。同制度は、研究開発から技術実証、市場投入に至るまでのギャップの解消を目指しており、研究開発と生産能力向上に必要な投資を単一のプロジェクトとして一体的に支援する。付加価値創出の可能性が高い分野に焦点を当て、ルーマニア独自のスキルと知的財産を構築できる分野で人材を活用し、研究と技術的専門知識を企業、製品、産業競争力へと転換することを目的とする。加えて、同制度によって生み出された知的財産を企業の資産として維持することで、グローバル・バリューチェーンにおける同国の地位向上を目指す。
対象分野は、人工知能(AI)、高度コンピューティング、グリーンエネルギー、デジタルインフラ、バイオテクノロジー、アグリテック、精密医療、宇宙関連技術、先端材料、サイバーセキュリティーなど多岐にわたる。
ルーマニア財務省の発表
によると、同制度の総予算は53億1,300万レイ(約1,860億円、レイは通貨単位レウの複数形、1レウ=約35円)で、このうち地域投資支援に26億5,600万レイ、研究開発プロジェクトに26億5,700万レイを割り当てる。年間平均予算は約7億5,900万レイとなる。融資契約は2026~2032年に締結され、支払いは2027~2041年に行われる予定だ。
同制度では、研究開発部門に対する年間助成金の最大30%の前払い支給を初めて導入する。助成金の上限は、産業研究は最大50%、開発実証は最大25%となる。また、受益者を自己負担分の調達方法に応じて2つのカテゴリーに分類し、企業の資金調達力に応じて民間資本と組み合わせることで、民間資本の役割強化を目指す。公的資金の投入だけでなく民間投資を促進することを重視しており、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などの参画により、資金面に加え、技術の事業化や経営面での支援を得られることも期待されている。
対象となるプロジェクトは、費用が500万~5,000万レイの範囲内であり、かつ研究開発に最低200万レイ、生産能力またはサービス提供への投資に最低300万レイという2つの連続した構成要素を含んでいる必要がある。これらを同一プロジェクトに統合し、単一の資金申請として提出できる。
財務省は、同決定の発効後45営業日以内に同制度利用に必要な各種ガイドライン、および資金申請受け付け開始日や年間予算額を公表するとしている。
(松田裕美、本吉美友)
(ルーマニア)
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