雇用パスとインターン義務化の解説セミナー開催、雇用パスは事前準備が重要

(マレーシア)

クアラルンプール発

2026年08月13日

マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)は7月29日、中小企業向けのセミナーを開催し、ジェトロ・プラットフォームコーディネーターの竹ノ山千津子氏が、6月1日に改正された雇用パス(EP)およびインターン義務化を含むインターンシップ制度の最新情報や実務上の注意点について解説した。

EPについては、月額基本給与要件の大幅な引き上げにより、日系企業の駐在員の多くが従来取得してきたカテゴリーIを維持できなくなる懸念があり、月額基本給与にマレーシア国外での受け取り分も含められるかが注目されていた。この点、月額基本給与は「手当その他を含まない基本給与」であり、人的資源省傘下タレントコープへの口頭確認情報ではあるが、給与の受け取り場所にかかわらず、現地法人との雇用契約書に記載された月額基本給でカテゴリーが判断される可能性も出て来ており、当局の正式な発表が待たれる(注1)。また、EPの更新時は給与明細と納税証明書の提出が求められるため、これらの内容と雇用契約書の記載が整合していることが重要だ。

また、マレーシア投資開発庁(MIDA)が管轄する企業・団体(注2)は2026年3月16日以降、InvestMalaysia外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにログインし、「MIDA Expatriate System(MES)」タブからEPを申請することになった。EPは通常、クアラルンプール国際空港で新規発給を受けられるが、MESは同空港での発給に対応していないため、入国後、発給まで就労できない待機期間が生じる。また、海外からの学生インターンシップを受け入れるためのSocial Visit Pass for internshipを申請できないほか、従来のシステムとの連動や個人情報保護の観点でも課題があるという。

インターンシップ制度については、6月1日以降にEPの発給を受けると、タレントコープから通知が届き、通知を受けてから12カ月以内にマレーシア人のインターンシップ生を受け入れる必要がある(注3)。インターン生の募集や受け入れなどインターンシップの実施にはMyNextポータル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのシステムを利用することになっているが、6月1日以降のEP取得者について通知が来ていない、同システムにEP取得者やインターンシップ枠の人数が反映されていないなど、十分に機能していない状況もみられるため、当局の対応が待たれる。

今回のセミナーでは7月時点の状況が共有されたが、今後も事前の通知なく変更が生じる可能性があるため、実際の運用・手続きでは常に最新のガイドラインを確認する必要がある。また、竹ノ山氏は、EP申請を滞りなく進めるためには事前準備が重要だと述べた。特に、会社の登記書、自治体発行のビジネスライセンス、管轄省庁発行のライセンス・認可書に記載の住所が一致していない場合や、EP申請の署名担当者が異動・退社した場合は、登録情報を変更しておく必要がある。

(注1)詳細はジェトロ「雇用パス申請における最低給与改定実施の現状」参照。

(注2)製造業、国際調達センター(IPC)、プリンシパル・ハブ、駐在員事務所など、MIDAの認可を取得している会社・団体。

(注3)詳細はジェトロ「義務化されたインターンシップ制度の概要と実施手順」参照。

(山口あづ希)

(マレーシア)

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