インドネシア政府が初の人民元建て国債を発行、応募倍率は2.4倍

(インドネシア)

ジャカルタ発

2026年08月03日

インドネシア財務省資金・リスク管理総局(DJPPR)は7月23日、同国政府として初となる中国・人民元建て国債(パンダ債)を発行したと発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。発行総額は合計70億元(約1,680億円、1元=約24円)となる。発行額の内訳は、3年債が56億元、5年債が14億元。利率はそれぞれ1.90%、2.19%で、決済日は7月30日となる。調達資金は2026年度国家予算(APBN)の財源に充てる。

投資家からの応募額は一時、約170億元に達し、発行額に対する応募倍率は2.4倍となった。年限別では、3年債に123億8,000万元の応募があり、応募倍率は2.2倍、5年債には46億2,000万元が集まり、同3.3倍だった(7月25日付、「インベスター・デイリー」)。インドネシア財務省は、旺盛な需要を背景に競争力のある利回りでの資金調達が可能になったとしている。今回発行したパンダ債は、中国の格付け会社、聯合資信評估(China Lianhe Credit Rating)から「AAA(安定的)」の格付けを取得した。スミント資金・リスク管理総局長は、今回の発行について、資金調達手段の多様化と投資家層の拡大が目的だと説明した。

バンク・ダナモンのイルマン・ファイズ・チーフエコノミストは、高い応募倍率について、インドネシアの信用力に対する投資家の評価に加え、中国国内の潤沢な流動性と相対的に低い金利が影響したと分析した。また、中国本土市場への参入により、米ドル建て債や円建てのサムライ債に加え、新たな資金調達先を確保できると指摘した。一方、パンダ債が当面、主要な資金調達手段になる可能性は低く、政府歳入の通貨構成との整合性が高く、為替リスクの小さい自国のルピア建て国債が引き続き中心になるとした。

インドネシア経済改革センターのユスフ・レンディ・マニレット研究員は、人民元相場とルピア相場は異なる要因で変動するため、人民元がルピアに対して上昇した場合には、ルピア換算した元利払い負担が増える可能性があるとした。

(大滝泰史、ティアラ・ダルマシャンティ)

(インドネシア)

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