ラフバラ大学が「日英水素サミット」を開催、AIによるエネルギー需要増加と水素の役割について議論
(英国、日本)
ロンドン発
2026年08月03日
サミットの様子(ジェトロ撮影)
サミットの前半では、基調講演が行われた。英国工学技術学会(IET)のジェームズ・バンバラ氏とジヤド・シェリフ氏は、IETの概要および同機関が発表したグリーンペーパー
(水素経済の実現に向けた提言事項をまとめた報告書)について説明。再生可能エネルギー(再エネ)の変動性と産業が必要とする一定の需要とのギャップを埋める水素貯留への投資拡大を優先事項の1つとした。デロイトのラナ・ゴーシュ=ロイ氏は、各地で地域住民によるデータセンターへの反対運動が発生していることを踏まえ、郊外の広大な未使用地をデータセンターと自家発電による自給自足型の施設へ転換することを提案した。川崎ガスタービンヨーロッパのヌレッティン・テキン氏は、同社のガスタービンにおける水素への対応について説明し、2026年内にドイツで同社のタービンを用いた世界初の産業規模水素専焼が実現予定とした。
後半では、ラフバラ大学発の技術について3者からピッチが行われた。再エネシステム技術センター(CREST)
のダニー・ストリックランド氏は、蓄電池と電解装置を組み合わせたバトライザー(Battolyser)を紹介した。国立燃焼・空気熱技術センター(NCCAT)
のダンカン・ウォーカー氏は、航空用ガスタービンにおける水素活用に向けた研究を説明した。同大学のスピンオフ企業インテリジェント・エナジー
のクリス・ダッドフィールド氏は、ドローン用の小型軽量モデルから定置用の大型モデルまで多岐にわたる同社の燃料電池を紹介した。
同大学の工学博士で、エネルギー移行分野の日英連携を支援するゲッコーアドバイザリーサービス
のインドラニル・ナータ氏は、本サミットの議論を総括し、水素を単一技術ではなく、広範なエネルギーミックスの一環として捉えるべきであるとした。その上で、送電網、水素の輸送・貯蔵インフラ、一貫した政策、社会的受容性を醸成するための枠組みの重要性に言及した。
(齊藤圭)
(英国、日本)
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