データセンター向け新電気料金体系を創設、再エネのダイレクトPPA対象産業も拡大

(タイ)

バンコク発

2026年08月06日

タイの国家エネルギー政策委員会(NEPC)(議長:アヌティン・チャーンウィーラクン首相)は7月15日、電力分野に関する7つの措置とともに、クリーン電力市場の自由化を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これらの措置は、国民の電気料金負担の軽減に加え、データセンター(DC)をはじめとする大口需要家に対し、利用量に応じた電力コストの負担を求めるものことで、一般家庭などへのコスト転嫁を防ぐことを目的としている。

NEPCで承認された主な措置は次のとおり。

  1. 公共用電力料金を一般利用者の電気料金体系から分離し、専用の料金区分を新設。また、DC事業者や直接電力購入契約(ダイレクトPPA)による電力購入者から、電力開発基金の財源として拠出金を徴収できるよう、関連法令の改正を指示した。
  2. 住宅用電気料金の引き下げとして、最初の1~200ユニット〔キロワット時(kWh)〕の使用分について、1ユニット当たり3バーツ(約14円、1バーツ=約4.8円)へ引き下げ、201~400ユニットおよび401ユニット以上の料金は現行水準を維持。また、住宅用利用者の定義を拡大し、賃貸住宅や学生寮、アパートメントなど居住用賃貸物件も対象に含める。
  3. 送配電網の第三者アクセスを活用した再生可能エネルギーのダイレクトPPAについて、クリーン電力を必要とする産業部門全般へ拡大する。
  4. DC向け専用電力料金体系を新設し、電力供給および送配電網の拡張に必要な輸入液化天然ガス(LNG)の調達コスト、電力系統の信頼性向上や送配電網整備のための投資費用など、実際のコストを料金に反映する。
  5. 大規模DCに送配電網利用に関する保証金の提供を義務化。また、DCが冷却用の水を大量に使用することを踏まえ、水資源管理計画の提出を求められるようにする。
  6. 上乗せ買い取り制度(フィードインプレミアム制度)の改革により、民間発電事業者との長期契約に伴う、高コストの電力購入問題に対応する。
  7. 最大1,500メガワットのコミュニティ・ソーラーファーム発電プロジェクトを推進し、「1タムボン(タイの行政単位)1プロジェクト」の原則により、利益が分散されるよう公平な基準を導入。

7月15日付「プラチャチャート」紙によると、エーカナット・プロムパン・エネルギー相は、「この取り組みは安全で持続可能なクリーンエネルギーへの移行を意味するとともに、公正な価格形成と自由競争を促進する制度改革だ」と強調した。

(野田芳美、ピンラウィー・シリサップ)

(タイ)

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