中国工信部、6G技術の実証実験の加速に言及
(中国)
上海発
2026年08月07日
中国の国務院新聞弁公室および工業情報化部は7月20日、2026年上半期の工業情報化発展状況に関する記者会見を開催した。同部によると、上半期の電信業務総量(注1)は前年同期比7.9%増加し、6月末時点で第5世代移動通信システム(5G)基地局数は510万2,000局、ギガビット級ネットワークサービスを提供可能な10G-PON(注2)ポート数は3,286万ポートに達した。人工知能(AI)向け計算能力を示すインテリジェント算力は2,185EFLOPS(注3)と前年同期比2.7倍となったほか、5G業界向け仮想プライベートネットワークは8万件を超え、5Gおよびギガビット光ネットワークの活用は94の国民経済大分類に広がった。また、全国の「5G+インダストリアルIoT」の建設中プロジェクトが2万6,000件を超え、5Gを生かした特色ある工場は1,260カ所に達した。
同部は、こうした5Gや光ネットワーク、算力の整備を踏まえ、新世代通信ネットワークの整備方針も示した。今後の取り組み内容は次のとおり。
- ネットワーク建設の推進:基盤ネットワーク、宇宙空間ネットワーク、国際ネットワーク、融合ネットワーク、5G-A、10ギガビット級光ネットワークを大規模商用化しインフラ体系を整える。
- 産業支援の推進:第6世代移動通信システム(6G)移動通信、超高速光通信、海底光ケーブル、衛星通信などの中核技術開発と関連製品開発を加速し、イノベーションと産業チェーンの効率的な連携を実現する。
- 応用イノベーションの普及推進:5G、ギガビット光ネットワークの重点産業への活用深化、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)、エンボディドAI、自動運転車、5G-A/6G、衛星インターネットとの融合発展を推進する。
6Gは、こうした新世代通信ネットワーク整備を支える中核技術の1つに位置付けられる。同部は6ギガヘルツ(GHz)帯の6G試験周波数の使用許可を承認し、第2段階の6G技術の実証実験を加速しているとした。また、「6G全体ビジョンと潜在的中核技術」などの成果を公表し、300件を超える6G中核技術を蓄積したと述べた。
なお、中国は第15次5カ年(2026~2030年)規画において、6GをエンボディドAI、量子技術、核融合エネルギーなどに並ぶ重点未来産業に位置付け、新たな経済成長の原動力として育成するとともに、未来産業の全産業チェーンにおける育成体系を構築するとしている。さらに、技術開発を地方レベルでも進めるため、工業情報化部は、6月に「6G革新発展における部・省協同パイロットプロジェクト特別行動の実施に関する通知」を発表した。全国共同で6G技術革新、産業エコシステムの育成、応用場面の拡大を推進し、未来産業の発展を支えるとした。
(注1)通信事業者が提供する電気通信サービス全体の業務量を示す統計概念。
(注2)光ファイバーアクセス網で使われる通信方式。PONはPassive Optical Networkの略で、通信事業者側の設備から利用者側へ光回線を分岐して届ける仕組み。
(注3)計算速度の単位。1EFLOPS=1秒当たり100京回の浮動小数点演算を実行できる能力。
(佐川将平、陸姿音)
(中国)
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