コロンビアのデラエスプリエジャ大統領が就任、治安対策や民間投資促進を表明

(コロンビア)

調査部米州課

2026年08月13日

コロンビアで8月7日、アベラルド・デラエスプリエジャ氏が新大統領に就任した。左派政権から右派政権への転換となる。大統領就任式はコロンビア第3の都市であるカリで行われた。首都ボゴタ以外の都市で就任式が執り行われたのは初めてのことだ。

デラエスプリエジャ大統領は、演説冒頭で「私は全てのコロンビア国民の大統領になる」と宣言し、接戦となった大統領選挙で自身へ投票しなかった層に向けたメッセージを発した。また、民主主義の尊重を訴え、選挙結果の正当性を疑問視することはコロンビア国民が示した意思を無視することに等しいと警告した。併せて、憲法制定議会を開催しないと発言し、憲法改正構想を否定した。

就任演説の中心的なテーマの1つは治安対策だった。デラエスプリエジャ大統領は「軍と警察に対し、あらゆる犯罪組織と戦うよう絶対的な命令を下す」と発表し、非合法組織に対しては「犯罪組織や麻薬テロ組織のメンバーには2つの道がある。法の支配に従うか、コロンビア国家とその治安部隊の断固たる力に直面するかだ」とメッセージを発した。具体的な治安対策としては、政府がテロ組織のリストを公表すること、麻薬密売につながる作物に対して除草剤を用いた燻蒸処理を再開することなどを挙げている。今回の就任式がカリで開催されたのも、長年にわたり犯罪組織の影響を受けてきた地域であるカリから治安改善をさせる決意を示すためだった。

経済面では、民間投資の促進を表明し、投資家に対して「コロンビアは再び安全で収益性の高い選択肢になる」と述べた。一定以上の資産を有する富裕層や大企業に課される資産税(富裕税)は廃止させる方針も示した。また緊縮財政を掲げ、政府支出の抑制を目指すとともに、財政秩序の回復を図る。また、ペトロ前政権が強く反対していたフラッキング法(注)も容認する姿勢を示した。

就任演説に対して、経済界はおおむね好意的な見方を示している。コロンビア商業連盟(Fenalco)のハイメ・アルベルト・カバル会長は、投資、経済成長、雇用創出などの分野などについての新政権の政策について、Fenalcoとしても再建に協力していこうとしている分野であり、信頼の回復、投資、成長、雇用の創出に貢献する用意があると述べた。

(注)非在来型鉱床から石油や天然ガスを採取する際の方法の1つ。水圧破砕法。環境面では化学物質による地下水の汚染が指摘されている。

(佐藤輝美)

(コロンビア)

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