トクヤマベトナム、先端半導体用シリコンウエハー原料工場を開所

(ベトナム)

ホーチミン発

2026年08月26日

総合化学メーカー・トクヤマの子会社であるトクヤマベトナムは8月13日、ホーチミン市のフーミー3特別工業団地で工場の開所式を開催した。工場では先端半導体用シリコンウエハーの原料となる高純度多結晶シリコン(注)の破砕・エッチング(薬液による表面処理・洗浄)を行う。開所式には、ホーチミン市人民委員会のグエン・マイン・クオン副委員長や、トクヤマの横田浩代表取締役会長執行役員、井上智弘代表取締役社長執行役員、在ホーチミン日本国総領事館の小野益央総領事らが出席した。横田会長は「当社は長年にわたり、高純度多結晶シリコンの製造に取り組み、半導体産業を支える重要材料メーカーの1社となった。同シリコンの安定供給は、当社の使命である」と述べた。また、フーミー3特別工業団地を運営するタインビン・フーミーのグエン・ティ・タオ・ニー会長兼社長は「同工場は、工業団地および南部地域におけるハイテク産業エコシステムの発展を後押しする」と述べ、半導体関連産業の発展に期待を示した。

写真 開所式でテープカットする出席者(ジェトロ撮影)

開所式でテープカットする出席者(ジェトロ撮影)

敷地面積は約5ヘクタール、従業員数は約200人、年産能力は約4,000トンを見込む。原料となる半製品は日本に加え、今後稼働予定のマレーシアのグループ会社から調達する。完成品は主に日本へ輸出し、シリコンウエハーメーカーへ供給する。

ベトナムの半導体関連産業の施策

ベトナムでは半導体関連施策が具体化している。ベトナム科学技術省は6月26日、国内初となる半導体チップ試作支援の国家拠点「ベトナム国家マルチプロジェクト・ウエハー調整センター」を開設した。技術的な自立性を段階的に高め、ベトナムを世界の半導体サプライチェーンの重要な一角として位置付けることを目指す。ホーチミン市も半導体分野の研究開発を伴う投資誘致や専門人材の育成を進める。7月21日に同市で開催された「ベトナム・シンガポール半導体産業発展協力フォーラム2026」では、地場のクアンチュン・ソフトウエアシティー開発会社(QTSC)とシンガポール半導体産業協会は、研究開発や技術移転、人材育成で協力する覚書を締結した。

(注)多結晶シリコンとは、ケイ石から取り出したケイ素から精製した金属シリコンの高純度のケイ素の塊のこと。先端半導体デバイスは、回路線幅がナノメートル単位まで微細化され、1つの半導体チップに数多くのトランジスタが集積されており、わずかな不純物の存在が電気的特性の制御を困難にする原因となるため、イレブンナインと呼ばれる99.999999999%の高純度の多結晶シリコンが求められる。

(小林真龍)

(ベトナム)

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