インド、初の通信機器製造特区をグワリオールに設置へ、中央・州政府が覚書締結
(インド)
ムンバイ発
2026年08月04日
インド電気通信省(DoT)とマディヤ・プラデシュ州政府は7月30日、同州グワリオールに国内初の「テレコム・マニュファクチャリング・ゾーン(通信機器製造特区、TMZ)」を設置するための覚書(MoU)を締結した(添付資料参照)。締結には、通信および北東部開発相のジョティラディティヤ・M・シンディア氏、同州のモハン・ヤダブ首相、通信および農村開発担当国務相のチャンドラ・セカール・ペマサニ氏らが立ち会った。インド政府は同事業を、通信分野での「自立したインド(アトマニルバル・バーラト)政策(注)」を推進する重要施策と位置付けている。
TMZは約350エーカー(約142ヘクタール)規模のプラグアンドプレイ型産業クラスターとして整備される予定だ。通信機器や電子機器の製造に加え、研究開発(R&D)、イノベーション創出の拠点として機能する。また、グワリオールをインド中部の主要な産業・技術拠点へ育成するとともに、同国の通信機器製造・開発能力の向上を目指す。第1期の基幹インフラ整備には中央政府が約49億3,000万ルピー(約83億8,100万円、1ルピー=約1.7円)を全額負担する。州政府は約170エーカー(約69ヘクタール)の土地を無償で提供するほか、追加用地についても優遇条件で提供する方針を示している。
同プロジェクトでは、通信機器メーカー、電子機器メーカー、スタートアップ、中小零細企業(MSME)など幅広い企業の集積を促進する。通信機器や部品の国産化、次世代通信技術の開発、サプライチェーン強化を通じて、輸入依存の低減と輸出競争力の向上を図る。政府は同ゾーンが通信分野の設計・開発・製造を一体的に担うエコシステムの形成につながると期待を込めている。
シンディア氏は式典で、「インドは通信サービスの大国から、通信製品の製造大国へと移行しなければならない。TMZはその実現に向けた大きな一歩となる」と述べた。また、「政府は規制当局ではなく、投資家のパートナーであり支援者である」と強調し、通信機器製造や関連サプライチェーンへの投資促進に向けて中央・州政府が連携して取り組む姿勢を示した。
(注)アトマニルバル・バーラト(Atmanirbhar Bharat)政策は、インド政府が2020年に掲げた「自立したインド」を目指す産業・経済振興戦略で、輸入依存の低減や国内製造業の強化を主眼とする。
(野本直希)
(インド)
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