バングラデシュ中銀、政策金利を9.5%に引き下げ
(バングラデシュ)
ダッカ発
2026年08月03日
バングラデシュ銀行(中央銀行)は7月30日、金融政策委員会(MPC)で、政策金利を10.0%から9.5%へ0.5ポイント引き下げることを決定
した。新たな金利は8月2日から適用されている。
中央銀行によると、MPCは国内外のインフレ動向に加え、投資、民間部門向け融資、雇用、経済成長、国際収支などを総合的に検討したという。今回の措置は、低迷する民間投資や企業活動を下支えし、経済成長を促すことを主な目的としている。
バングラデシュでは2021年以降、世界的なエネルギー価格上昇や為替下落などを背景にインフレ圧力が強まり、消費者物価指数(CPI)上昇率は2024年7月に11.7%まで上昇した。中央銀行は2022年以降、段階的な金融引き締めを進め、政策金利を2024年10月に過去最高の10.0%へ引き上げた。しかし、2026年6月時点でもインフレ率は9.2%と依然高水準にあり、物価上昇圧力が残る中で今回の利下げに踏み切った。
世界銀行は、バングラデシュ経済について、インフレの長期化や銀行部門の脆弱(ぜいじゃく)性に加え、民間投資の低迷が成長の重荷になっていると指摘している。こうした状況下、企業の借り入れ需要は低迷しており、銀行融資の伸びも鈍化している。利下げによって企業の借り入れコストが低下すれば、設備投資や事業拡大に向けた資金需要を喚起し、経済活動の活性化につながることが期待される。
一方で、インフレ率はなお9%台にあり、物価上昇圧力が再び強まるリスクも残る。ミューチュアル・トラスト・バンクのサイード・マハブブル・ラーマン最高経営責任者(CEO)は今回の決定を歓迎する一方、電力・エネルギー分野などの構造的課題が残るため、利下げだけで企業の借り入れ需要や融資が大きく回復するとは限らないとの見方を示した。
今後は、金融緩和が民間投資や経済成長の回復につながるかに加え、インフレ抑制と景気回復の両立を図れるかが注目される。
(新居大介)
(バングラデシュ)
ビジネス短信 440aebf685e129d7





閉じる