ブラジル中銀、4会合連続の利下げで政策金利14%に
(ブラジル)
サンパウロ発
2026年08月10日
ブラジル中央銀行は8月5日、金融政策委員会(Copom)を開催し、政策金利(Selic)を14.25%から0.25ポイント引き下げ、14%とすることを全会一致で決定した。利下げは4会合連続。市場予想どおりの結果となった。
Copomは声明の中で、外部環境について「中東における武力衝突をめぐる不透明感が残り、一部先進国の金融政策動向が不確実である。こうした状況は、資産・商品価格の変動が高まる環境にある新興国に慎重さを求める」と指摘した。
国内経済については、「経済活動は引き続き底堅さを維持しているものの、緩やかな減速傾向がみられ、産業ごとに異なる動きを示している。また、労働市場は逼迫している。直近の指標で総合インフレ率は鈍化したものの目標範囲の上限を上回る水準にある一方、基調的指標(注1)は目標範囲の上限をわずかに下回る水準まで低下した」との認識を示した。なお、中銀が8月3日に公表した週次レポート「フォーカス」(注2)によると、2026年の拡大消費者物価指数(IPCA、注3)上昇率の市場予測は5.03%で、中銀が定めるインフレ目標範囲(1.5~4.5%)を超えている。
ブラジル全国工業連盟(CNI)は8月5日付ウェブサイトで、「Copomによる利下げは妥当だが、その幅は、生産部門や家計が直面する課題を緩和するには不十分だ」とコメントした。CNIのリカルド・アルバン会長は「中央銀行の決定は、外部環境の不確実性からすでに大きな打撃を受けている産業部門の先行きをさらに悪化させる。また、高金利の融資は、過去最高水準の債務負担と延滞問題を抱える家計の収入を深刻に圧迫している」と述べた。
現地紙「エスタード」(8月6日付)によると、Copomが次回会合での方針について明確な示唆を示さなかったことから、市場アナリストの見方は、利下げ継続を予想する派と、一時停止を予想する派に分かれている。
(注1)基調インフレ指標は、価格変動の大きい品目の影響を調整し、中長期的な物価動向を把握するための指標。
(注2)フォーカスは、中銀が国内100以上の金融機関を対象に行ったアンケートを集計し、予測などをまとめたもの。毎週金曜日までに集計を行って中央値を算出し、翌週の月曜日に公表する。
(注3)ブラジルの代表的な物価指数。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
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