イラク、7月までの税関収入が前年通年分に並ぶ

(イラク)

ドバイ発

2026年08月31日

イラク税関庁のサーミル・カーシム・ダウード長官は8月15日、2026年1月から7月の税関収入が2兆5,000億ディナール(約3,000億円、1ディナール=約0.12円)に達し、7カ月間で2025年通年の収入額(2兆2,000億ディナール、注)と同水準になったと明らかにした。現地メディアRudawが8月16日に報じた。同報道によれば、7月単月の収入は5,600億ディナール(約670億円)で、前年同月比2.5倍となった。長官は、現在の増加傾向が続けば2026年通年で3兆5,000億ディナールを超え、過去最高になるとの見通しを示したという。

近年、イラク政府は国連貿易開発会議(UNCTAD)が開発した、税関手続きをオンラインで処理する「ASYCUDA」を導入してきた。2025年1月1日に紙の税関申告を電子申告へ切り替え、その後、貨物情報の電子登録、関税のオンライン決済、関税額の基準となる輸入品価格の算定なども段階的に導入した。これにより、貨物情報の受け付けから税額の計算・支払い、貨物の引き取りまでをシステム上で処理できるようにし、中央銀行や港湾当局、輸入品の規格・品質を検査する政府機関などとのデータ連携も広げている。6月18日付Rudawによれば、ダウード長官は、連邦政府が管轄する陸路、港湾、空港の税関全てでASYCUDAを運用していると説明している。

こうした電子化に加え、2026年1月には、コンテナ単位の一律課税をやめ、輸入品の種類や価格などに応じて関税を算定する新たな方式が連邦政府管轄の全税関で始まり、税関庁は同月の収入が1,370億ディナール(約160億円)を超えたと発表した。その後も収入は増加している。ダウード長官は、ASYCUDAの導入と政府機関とのデータ連携が今回の増収に寄与し、汚職や関税・税金の支払い逃れの抑制にもつながっていると説明したと報じられている(8月16日付Rudaw)。

税関・国境管理でも、政府は汚職対策を進めている。アリー・ゼイディー首相は8月14日に国境港湾庁を訪問し、手続きの厳格化や司法当局との連携による汚職撲滅を指示したと報じられた(8月16日付Rudaw)。政府は、税・関税の徴収強化などを通じて非石油収入を増やし、石油収入への依存を減らす方針だという。

(注)2025年通年の金額は、国境港湾委員会発表の民間報道に基づく。

(大野晃三)

(イラク)

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