シンガポールのチャン国防相、ASEANのエネルギー・金融・データでの連携を呼びかけ
(シンガポール、ASEAN)
シンガポール発
2026年08月07日
シンガポールのチャン・チュンシン国防相兼公共サービス調整相は8月3日、ASEAN各国がエネルギー、金融、データの3分野で連携することが、地域経済全体の成長を押し上げる基盤になるとの認識を示した。シンガポール国際問題研究所(SIIA)が同日開催した「第18回ASEANアジア・フォーラム」での基調対話で述べた。
チャン国防相はエネルギーについて、ASEAN加盟国の多くが風力、地熱、太陽光などの再生可能エネルギー資源に恵まれていることから、「世界の再生可能エネルギー超大国」となる可能性を指摘した。同相は域内で電力融通を目指す「ASEANパワーグリッド(APG)」が実現すれば、電力コスト低減の可能性があると述べた。その上で、APGの「ラオス・タイ・マレーシア・シンガポール相互電力統合プロジェクト(LTMS-PIP)」の進展に期待を示した。
同相は金融について、企業がASEAN域内で国境を越えて資本を円滑に移動できるよう、制度上の障壁や取引コストを最小限に抑える必要があると語った。
また、データについて、「未来経済を動かす新たな潤滑油」と位置付けた。ASEANは人口構成が多様で、豊富なデータ基盤を持つとした上で、各国がデータを自国で囲いこむ「データ保護主義」に陥らず、域内で活用できる環境を整える必要性を訴えた。
SIIA主催の第18回ASEANアジア・フォーラムで話すチャン国防相兼公共サービス調整相(ジェトロ撮影)
データと貨物の動きを統合・管理する重要性の指摘も
同フォーラムでは、ジェフリー・シオ運輸相兼第2財務相が午前中の基調対話に登壇し、現代の貿易では、物理的な貨物を運ぶだけでなく、「データの流れの中心に位置し、モノやサービスの動きを管理すること」が重要になるとの認識を示した。さらに、パネルセッションに登壇した地場港湾管理会社PSAシンガポールのフー・セシアン副社長(港エコシステム開発担当)は、同社が世界各地に展開する物流拠点を通じて、貨物の輸送経路や情報の流れを一体的に管理していることが同社の競争力の源泉になっていると説明した。PSAは45カ国・地域の約180カ所で、港湾や鉄道など物流拠点を運営している。なお、フー氏は2025年5月の総選挙で政界入りし、2026年9月1日付で国務相(人材、貿易産業担当)に就任する予定。
(本田智津絵)
(シンガポール、ASEAN)
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