チリ、鉱業投資促進へ環境影響評価制度見直しと許認可簡素化の規則改正案
(チリ)
サンティアゴ発
2026年08月07日
チリ環境省は7月31日、環境影響評価制度(SEIA)の対象となる鉱業案件の基準値の見直しや適用除外拡大を盛り込んだ規則改正案を公表
し、意見募集を開始した。また、チリ鉱業省は8月3日、鉱業分野の許認可手続きを簡素化する鉱業安全規則改正案の内容を発表
した。
環境省が公表したSEIA規則改正案では、環境影響評価制度の対象となる鉱業案件の基準値の引き上げが提案された。具体的には、処理能力基準を現行の月間5,000トンから4万トンへ引き上げるなど、複数の基準値を見直す。また、既に環境認可(RCA)を取得している操業中の鉱山については、一定条件の下で鉱業廃棄物の再処理・有効利用事業を環境評価手続きの対象外とすることも盛り込まれた。環境省によると、制度の予見可能性を高めるとともに、環境への影響が大きい案件へ行政資源を配分することが狙いだ。意見募集は9月11日まで行われる。
一方、鉱業省が公表した鉱業安全規則改正案では、従来55件あった許認可制度を見直し、13件の許可制度と18件の代替認証手段(THA)へ再編する。THAでは、企業が宣誓供述書により法令順守を自己申告することで、一部の活動を事前許可なしで開始できるようにする。鉱業省によれば、手続きの簡素化を通じて投資案件への迅速な着手を促すことが目的で、安全基準や環境基準は維持される。
また、鉱業安全規則改正案では、許認可負担の軽い小規模鉱業の区分基準を月間5,000トンから1万トンへ引き上げるほか、月間1万トン超の案件については、国家地質鉱業庁(Sernageomin)が50営業日以内に審査結果を示す仕組みを設ける。さらに、紙媒体による管理帳簿を廃止し、関連手続きを電子化するとともに、審査業務の効率化で生じた人員を監督・検査業務へ重点的に振り向ける方針も打ち出した。
これらの制度見直しを通じて、政府は環境影響評価制度と鉱業許認可制度の両面から鉱業投資の促進を図る方針だ。一方で、環境団体からは、企業の自己申告方式の導入により、国家による事前審査が弱まるとの懸念も示されている。
(高橋英行)
(チリ)
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