政府がガス供給申請の承認停止を公社に通知、企業の投資計画にも影響

(バングラデシュ)

ダッカ発

2026年08月05日

バングラデシュのエネルギー鉱物資源局(EMRD)は714日、国営石油・ガス公社のペトロバングラに対し、国内ガス生産の減少と液化天然ガス(LNG)の輸入不足を理由に、新規産業向けガス接続および既存工場のガス供給量増加の承認を停止するよう通知した。これを受けてペトロバングラは17日、配給会社に停止を指示し、日系企業を含む多くのガス供給の申請が承認されないまま滞留することになった。

ペトロバングラによると、国内のガス需要は日量約3,800MMCFD100万立方フィート/日)であるのに対し、平常時の供給量は2,5002,600MMCFD程度にとどまり、従来から1,2001,300MMCFD前後の供給不足が生じていた。供給量のうち800900MMCFDは、2基の浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)から供給されるガスによって占められている。

こうした中、721日には、米国エクセラレート・エナジー社が運営するFSRUで火災が発生した。この事故により、全国のガス供給量は約2,150MMCFDに低下し、需給ギャップは平常時を大きく上回る水準に拡大した。

ガス不足は、企業の投資計画にも影響を及ぼしている。食用油、化学品、鉄鋼などを手掛ける地場大手TKグループのムスタファ・ハイダー取締役は「ガス供給を待つ工場向けに数十億ドルを投じた起業家たちが、工場の稼働が停止している間も銀行ローンの返済に苦慮している。新規ガス接続の停止が続けば、新たな投資を阻害し、政府の雇用目標の達成を妨げることになる」との懸念を示した(「ビジネス・スタンダード」紙728日)。

慢性的なガス不足に加え、今回のガス供給承認停止により、製造業の事業拡張や新規投資計画への影響が一段と懸念されている。

(新居大介)

(バングラデシュ)

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