タイ運輸省、交通網拡大の計画を発表、鉄道を中心とした交通・物流体系の再構築へ
(タイ)
バンコク発
2026年08月14日
タイのピパット・ラチャキットプラカーン副首相兼運輸大臣は7月13日、政府が開催したワークショップ「MOT New Chapter:近代化・国民重視・持続的なタイ経済成長の実現に向けて(2026~2027年)」の成果を発表
した。2027年に総額2,297億6,900万バーツ(約1兆1,028億9,120万円、1バーツ=約4.8円)を投じ、262件の交通システム開発にかかる重点投資プロジェクトを推進する計画だ。
運輸省は、(1)生活費負担軽減、(2)経済活性化、(3)クリーンエネルギー推進、(4)将来の交通基盤整備の4つを柱とし、陸上・水上・航空輸送などの5分野で、便利、安全、迅速かつ合理的な料金体系を備えた、シームレスな交通システムの構築を目指す。特に、鉄道を軸に交通・物流体系の構築を実現しつつ、全国規模で開発を進める。
道路では、高速道路などの建設を加速し、交通のボトルネック(渋滞など)解消と都市と経済拠点間の連結を強化する。
公共交通サービスについては、利便性・安全性・環境配慮を向上させるため、電気自動車(EV)バス2,320台を導入するほか、バンコク首都圏および地方都市におけるフィーダーバス網(主要交通網と結ぶ支線)を整備し、都市間旅客・貨物輸送の効率化を図る。
鉄道では、バンコク都市圏の鉄道網を完成させるため、現在ミッシングリンクとなっている路線の解消、複線化事業、高速鉄道事業も加速する。また、17~45バーツの全国統一運賃制度を導入し、利用者負担の軽減とともに、鉄道利用を促進し、日常の主要移動手段へと転換させる。さらに、タイ国鉄路線への民間参入を促し、貨物輸送効率化や国内での鉄道車両研究・設計・製造を推進し、タイ鉄道産業の長期的発展を支援する。
水上輸送では、港などの近代化を進め、観光振興、物流費削減、地域ハブ機能強化を目指す。航空輸送は、観光客数、貨物量の増加に対応するため、主要空港と地方空港の施設拡充や処理能力の向上を進め、タイを地域航空ハブとして発展させる。2028年から2030年には、新たな主要空港を結ぶ新たな交通網を整備するほか、将来の航空産業を支える人材育成のため、航空機整備技術者向け訓練施設を建設する計画だ。
ピパット副首相は、これらの事業には多額の投資が必要であることから、国家予算以外にも、「Thailand Future Fund(インフラ整備向けの政府系投資基金)」の活用や、官民連携事業(PPP)などによる民間資金の調達も検討すると説明した。
(野田芳美、ピンラウィー・シリサップ)
(タイ)
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