スイス、中国との改定FTAに合意、対中輸出の99.8%が無関税に
(スイス、中国)
ジュネーブ発
2026年08月26日
スイス連邦政府は8月20日、中国との自由貿易協定(FTA)を改定する交渉が妥結したことを発表
した。スイスの経済・教育・研究相を兼ねるギー・パルムラン大統領と中国の王文涛商務部長がベルンで会談し、スイス・中国FTA改定交渉を終了する覚書(MOU)
に署名した。2014年に発効したスイス・中国FTAの改定に関する交渉は、2024年9月に正式に開始され、5回の協議を経て合意に至った。
現行のFTAでは、中国からスイスへの輸入品のほぼ全てが無関税となっている一方、スイスから中国への輸出品のうち無関税となっているのは約半分に過ぎない。改定FTAではこの不均衡を是正し、スイスの対中輸出の99.8%が無関税になる。スイス政府の試算では、改定FTAにより、特にスイスから中国への時計、機械、医薬品の輸出において、約2億4,400万スイス・フラン(約484億円、CHF、1CHF=約198.41円、スイス国立銀行2026年8月24日時点)の関税削減効果の可能性を示している。スイスの時計(現行FTAで免税貿易割合1.0%)、医薬品(29.1%)、化学(50.4%)、プラスチック(52.9%)、機械(74.7%)、精密機器(85.9%)、電気機械(89.0%)の中国向け輸出のうち、関税が有税のものについても段階的に関税が引き下げられ、最終的にはほぼ100%無税になると説明している。
改定FTAはまた、スイス投資家の中国市場へのアクセスを確保するとしている。さらに、貿易および持続可能な開発(環境および労働基準)に関する規定も、改定FTAにより拡充・強化される。そのほか、同FTAの改定範囲は、原産地規則、貿易円滑化、サービス貿易、デジタル貿易、競争、経済技術協力にも及ぶとしており、スイス連邦政府はその詳細を説明するファクトシート
も公表している。
スイスにとって、中国は、EU、米国に次ぐ3番目に重要な貿易相手国。スイスの中国への2025年の財の輸出額(金やその他の貴重品を除く)は約152億CHF、同輸入は約183億CHFで、2国間貿易額は約335億CHFに達した。スイス連邦参事会(内閣に相当)は、協定の改定により、中国市場へのアクセスを改善・確保し、スイス企業の輸出市場の多様化を支援する。
スイスと中国は改定FTA案の残りの技術的作業および法的精査が完了次第、協定の署名に向けて協議を進める。2026年末までに協定に署名し、その後、必要な国内批准手続きをできるだけ早く完了することを目指すとしている。なお、協定テキストは署名時に公表される予定。
(田中晋)
(スイス、中国)
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