パナマ運河の通航予約枠、段階的に縮小し9月15日から1日当たり32枠に
(パナマ)
調査部米州課
2026年08月25日
パナマ運河庁(ACP)は8月20日、運河流域の降雨不足を受け、パナマ運河の1日当たりの通航予約枠を段階的に縮小すると発表した(ACP海運事業者向け通知A-29-2026
)。9月4日以降の予約日については現状の36枠から34枠に、9月15日以降は32枠に削減する。9月4日以降の内訳は、2016年の運河拡張後に整備されたネオパナマックス向け閘門(こうもん、注1)が1日当たり9枠、従来のパナマックス向け閘門が25枠となる。さらに、9月15日以降の予約日については、パナマックス向け閘門の予約枠を23枠に削減する。船の大きさや予約実施期間によって異なる具体的な通航予約枠は、添付資料表を参照。
ACPによると、2026年5~8月の運河流域の累積降水量は過去平均を34%下回り、水の流入量は同期間の過去平均を44%下回った。加えて、2026~2027年のエルニーニョ現象が深刻化した場合、雨期の残りの期間も降水量と流入量が減少する可能性がある。ACPは、降雨不足とエルニーニョ現象の見通しを踏まえ、2027年の乾期(1~4月)における水資源の確保に懸念が生じているとしている。今回の予約枠削減は、安定的な運河サービスを維持するとともに、飲料水を含む水資源を保全するための予防的措置と位置付けている。
パナマ運河では、船舶が閘門を通過する際に大量の淡水を使用する。水源となるガトゥン湖の水位が低下すると、安全に通航できる船舶数や船舶の最大喫水(注2)を制限する必要が生じる。ACPは気象条件、流域への流入量、湖の水位を継続的に監視し、追加の運用調整が必要になった場合には、通航能力や喫水などの変更を速やかに公表するとしている。
ACPは同通知内で、ネオパナマックス向け閘門を通航する船舶の最大喫水制限の適用日変更についても発表した。当初8月26日に適用する予定だった最大喫水14.63メートル(48.0フィート)の適用を9月2日に延期する。また、9月3日に適用する予定だった14.48メートル(47.5フィート)への引き下げについても、10月1日まで延期する。8月25日までは14.78メートル(48.5フィート)となっている。
同日には、競売枠の予約方式の変更についても通知された(ACP海運事業者向け通知A-28-2026
)。9月4日以降の予約枠の競売について、船種別に4つのグループ(注3)に分類し、一部の競売は参加できるグループを制限する。また、過去の予約期間で既に枠を得た船会社は、同じ予約日でさらに予約枠を得ることはできないなど、より多くの船会社に公平に予約枠を付与するための規定も整備した。詳細は同通知を参照。
ACPは、確定した通航日を保証する唯一の手段は通航予約システムを通じた予約だとしており、予約なしで到着する船舶については、通航待ち時間が長期化する可能性があると注意を呼びかけている。
(注1)水位の異なる水面の間で船舶を通航させるための施設。
(注2)船舶が水に浮かんだ際の、水面から船底までの深さ。
(注3)グループ1はLNG(液化天然ガス)船・LPG(液化石油ガス)船、グループ2はドライバルク船・一般貨物船、グループ3はフルコンテナ船・自動車運搬船(RORO船)・冷蔵船、グループ4はケミカルタンカー・石油製品タンカーなどが該当する。
(加藤遥平)
(パナマ)
ビジネス短信 2dc1fd7d77d01a18





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