7月の米消費者物価指数は2カ月連続で伸び鈍化、ガソリン価格などが下落

(米国)

ニューヨーク発

2026年08月17日

米国労働省が8月12日に発表した2026年7月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、総合指数が前年同月比3.4%上昇(前月3.5%上昇)、前月比0.1%の上昇(前月0.4%低下)となり、いずれも市場予想どおりとなった。中東情勢を背景としたエネルギー高や一部コア項目の粘り強さは依然として残るものの、足元でのエネルギー価格の下落などにより、インフレの加速傾向は落ち着きを見せた。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は、前年同月比2.5%上昇(前月2.6%上昇)と伸びがわずかに鈍化したものの、前月比では0.2%上昇(前月0.0%上昇)に転じた(添付資料図1、表参照)。

品目別で前月比をみると、インフレを牽引してきたエネルギー価格が1.5%低下(前月5.7%低下)し、押し下げ要因となった。中でもガソリン価格は2.9%低下(前月9.7%低下)した。米国・イランの衝突による原油市場の混乱が懸念される一方、供給への警戒感が和らいだことが背景にある。

食料品価格は0.1%上昇となり、前月(0.2%上昇)から伸びが縮小した。外食費が0.3%上昇(前月0.2%上昇)とわずかに伸びたものの、自宅での食費(内食)が0.1%低下(前月0.2%上昇)と下落したことで相殺され、全体として緩やかな伸びに落ち着いた。この内食費下落の要因としては、豚肉価格が1.5%減と2023年11月以降最大の下げ幅を記録したことや、サイクロスポラ症の発生源とされるレタスの需要減退による価格急落(16.4%減)が挙げられる(ロイター8月12日)。

食料品とエネルギーを除いたコア指数では、財が前月比0.2%上昇(前月0.1%低下)とプラスに転じた。前月に下落していた衣料品(0.1%上昇)や中古車(0.4%上昇)が上昇に転じたことが影響した。一方、サービス分野では、これまで高止まりが続いていた住居費が0.1%上昇(前月0.1%上昇)と、前月に続いて低い伸びにとどまった。自動車保険料(0.3%低下)は下落基調を維持したが、医療サービスが0.6%上昇(前月0.1%低下)と大幅なプラスに転じたほか、航空運賃(2.2%上昇)などの伸びも加速し、サービス全体としては広範な項目で物価上昇の粘り強さが確認された。

前年同月比ベースでみても、エネルギー価格のプラス寄与度が縮小したことが、総合指数の減速の主因となった(添付資料表、図2参照)。総合指数は5月(4.2%上昇)から2カ月連続で伸びが鈍化した。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の金利先物価格から連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ・利上げ確率を算出する「フェドウォッチ」によると、7月のCPIの結果を受け、8月12日時点で、次回9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を現在の3.50~3.75%に据え置く確率は、前日の約52%から62%近くへ上昇した。モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、エレン・ゼントナー氏は、7月の雇用統計で非農業部門雇用者数が2万3,000人減と市場予想を下回ったことに加え、「予想どおりのインフレデータにより『これ以上の利上げは不要』という見方が維持されるだろう」と分析している(CNBC8月12日)。

(樫葉さくら)

(米国)

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