イーライリリーとレジリエンス、米国内製造基盤強化へ7億5,000万ドル投資

(米国)

シカゴ発

2026年08月04日

米国製薬大手のイーライリリー(本社:インディアナ州)とCDMO(医薬品受託開発製造機関)のレジリエンス(Resilience、本社:オハイオ州)は7月30日、総額7億5,000万ドルを投じ、米国内の医薬品製造基盤を強化すると発表した。

オハイオ州シンシナティ地域にあるレジリエンスの製造拠点において、イーライリリーの糖尿病・肥満症治療薬向けペン型注射デバイス「クイックペン(KwikPen)」を新たに生産する。現在、拠点拡張に向けた準備を進めており、全面稼働は2027年初頭を予定している。

今回の投資の背景には、糖尿病・肥満症治療薬に対する需要の増加がある。イーライリリーの主力製品である糖尿病治療薬「マンジャロ」の2026年第1四半期の米国売上高は前年同期比59%増、肥満症治療薬「ゼップバウンド」の米国売上高は同79%増となった。

イーライリリーのエグゼクティブ・バイス・プレジデントで製造部門のプレジデントを務めるエドガルド・ヘルナンデス氏はレジリエンスのプレスリリースで、「当社製品の需要が増加し続ける中、複雑な製造体制の拡大には確かな技術力、品質への妥協のない姿勢、そして安定供給を継続する能力が必要だ」と述べ、レジリエンスが重要なパートナーだと説明した。両社は2023年に提携を開始し、これまで米国患者向けに1億5,000万回分を超える注射製剤を製造してきた。

レジリエンスのウィリアム・S・マース社長兼最高経営責任者(CEO)は、今回の投資について、イーライリリーとの協業拡大を通じた、米国における医薬品製造基盤強化に向けた長期的な取り組みとの認識を示した。

今回の投資により、シンシナティ地域で少なくとも400人の高技能職の雇用が新たに創出される見込みだ。レジリエンスは6月、製造分野の人材やインフラの充実に加え、顧客や提携先への近接性などを理由に、本社をカリフォルニア州からシンシナティ近郊へ移転した。

オハイオ州のマイク・デワイン知事(共和党)は、今回の両社による提携拡大やレジリエンスの本社移転について、「オハイオ州のライフサイエンス分野の人材、インフラ、経済開発への取り組みの価値を裏付けている」と評価した。

(坂井愛子)

(米国)

ビジネス短信 2a5f527d200592dd