中国、住宅積立金管理条例を改正、多様な住宅関連支出ニーズに対応
(中国)
北京発
2026年08月20日
中国国務院は8月10日、「『住宅積立金(注)管理条例』改正に係る決定
」を発表した(中国政府ウェブサイト掲載は8月18日)。今回の発表における主な改正点は次のとおり。
- 住宅積立金の拠出率に関して、「従業員および事業主の住宅積立金の拠出率は、従業員の前年度の月平均賃金の5%以上とし、国の規定する上限を越えないものとする。具体的な拠出率は、住宅積立金管理委員会が案を策定し、当該管理委員会と同じ行政レベルの人民政府の審査を経て、省・自治区・直轄市人民政府の承認を受けるものとする」に改正(第18条)。
- 住宅積立金の引き出し条件に関して、「従業員が以下のいずれかの状況に該当する場合、住宅積立金口座内の積立残高を引き出すことができる。(1)家賃を支払う場合。(2)自身が居住する住宅の購入、建設、改築または大規模修繕を行う場合。(3)住宅購入ローンの元本を返済する場合。(4)自身が居住する住宅のリフォームを行う場合。(5)自身が居住する住宅の管理費を支払う場合。(6)退職した場合。(7)労働能力を完全に喪失し、かつ事業主との労働関係が終了した場合。(8)海外へ移住・定住する場合。(9)その他、国務院が認める住宅関連消費に該当する場合。前項(6)、(7)、(8)の規定に基づき従業員が積立残高を引き出す場合、当該従業員の住宅積立金口座を同時に抹消することができる」に改正(第24条第1項および第2項)。
- 住宅積立金の引き出し申請審査に要する期間に関して、「住宅積立金管理センターは、申請受理日から3日以内に引き出しの可否を決定した上で、結果を申請者に通知する。引き出しを認める場合は、受託銀行が支払い手続きを行う」に改正(第25条)。
そのほか、住宅積立金ローンの審査期間が従来の15日以内から10日以内に短縮される(第26条第2項)など、手続きの簡便化が規定された。
司法部および住宅都市・農村建設部は8月18日の記者会見で、今回の条例改正の背景について、国内の不動産市場の発展や就業構造の変化に伴い、住宅関連の消費形態が多様化し、住宅積立金の使用・管理についても新たなニーズが発生していることを挙げた。また、同改正により、住宅積立金の引き出し・使用範囲が拡大することで、積立者の多様な住宅関連支出ニーズへの対応が可能になるとした。
条例改正の背景には、不動産市場の安定や、不動産市場の新たな発展モデルを構築することも含まれている。中国では不動産市場の不況が続いており、国家統計局の発表によると、2026年1~7月の不動産開発投資は前年同期比19.2%減と大幅に減少している(うち住宅開発投資は19.1%減)。
(注)住宅積立金(中国語で「住房公積金」)とは、中国の住宅保障制度のひとつで、企業と従業員が共同で積み立てる公的な住宅資金のこと。住宅購入、住宅ローン返済、賃貸住宅の家賃支払いなどに利用できる。
(西島和希)
(中国)
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