ライセンス見本市に日本企業が多数出展

(ブラジル)

サンパウロ発

2026年08月27日

サンパウロ市内のトランスアメリカ・エキスポ・センターで81213日、ブランドやキャラクターなどの知的財産(IP)を扱う企業間取引(BtoB)向け見本市「Licensing Con Latam 2026」が開催された。主催者のEPグループは、同見本市を中南米最大級のライセンス業界イベントと位置付けている。2026年は、開催場所が前年より広い会場に移り、約60社が出展した(注1)。

写真 にぎわいを見せる会場の様子(ジェトロ撮影)

にぎわいを見せる会場の様子(ジェトロ撮影)

会場には、ブラジル最大のメディア企業であるグローボ、同国を代表する漫画・アニメ・ライセンス企業のマウリシオ・デ・ソウザ・プロダクションズ(MSP)、大手ライセンスエージェンシーの1つであるアンジェロッチ・ライセンシングなど、ブラジルの主要ライセンス関連企業が出展した。

ジェトロは2025年に続き、海外バイヤー向けオンラインカタログのJapan Street(注2)広報ブースを設置し、日本企業12社の出展を支援した。そのほか、サイバーエージェント、アニプレックス、サンリオなどによる自社ブース出展もみられた。主催者のEPグループによれば、アジア発のエンターテインメント作品に対する中南米市場の関心は高まっている。8月18日付の現地アニメ専門メディア「ジェイボックス」によれば、アニプレックスは現地代理店を介さず自社ブースで小売業者と直接接触し、「鬼滅の刃」への引き合いが最も多かった、と述べている。一方、同社はブラジルでのライセンス拡大の障壁の1つとして、日本企業の品質確認の厳格さと製作委員会による承認工程を挙げ、ブラジルや中南米の企業をライセンシーとする際に摩擦が生じることがあると説明した(注3)。同社の場合は日本本社側の権利管理・監修部門と、米国法人のライセンス事業部門が緊密に連携しているため、直接製作委員会にはかってフィードバックを得られるという。

ジェトロブースには玩具、出版、ゲーム、消費財など幅広い業種の企業が来訪した。特に、自社商品へのキャラクター活用を検討するメーカーや、日本発IP(注4)のゲーム利用を検討する企業からの引き合いが多くみられた。湿布などを製造する衛生材料メーカーもジェトロブースを訪れ、日本発IPの活用需要がエンターテインメント分野以外にも広がっていることがうかがえた。

ブラジルでは、日本アニメやキャラクターへの認知度が高く、ライセンスビジネスへの関心も高まっている。ブラジルのライセンシーやブランドホルダーが一堂に集まる同見本市は、現地主要プレーヤーとの接点形成や新規ライセンシー開拓の機会として重要性を増しており、日本企業のブラジル展開を進める上で有効な展示会の1つといえそうだ。

(注1)本展示会は、アニメ、映画、ゲーム、出版、アパレル、食品、化粧品など多様な業界のブランドキャラクターIPを対象としたBtoBイベント。主催者によると、2025年はサンパウロ市内のビラ・ドス・イペースで開催され、出展者46社、来場者1,400人超だった。

(注2)ジェトロが招待した海外バイヤー専用のオンラインカタログサイト。今回のJapan Street広報ブースでジェトロが出展を支援した企業は次の12社。アニプレックス・オブ・アメリカ、サイバーエージェント、MAG.NET、Minto、日本アニメーション、Remow、スクーターフィルムズ、松竹、トムス・エンタテインメント、テレビ朝日、ゼノトゥーン、読売テレビ放送。

(注3)製作委員会は、アニメや映画などのコンテンツ制作において、出版社、放送局、広告代理店、玩具メーカー、配信事業者など複数の企業が共同で出資し、制作・権利管理・収益分配を行う事業体。日本のコンテンツ産業で広く採用されている。日本のコンテンツIPは、商品デザインや広告素材などについて権利者による厳格な監修・承認が求められることが多く、承認に時間を要する場合がある。そのため、迅速な事業展開を重視する海外ライセンシーとの間でスケジュール面などの調整が課題となることがある。

(注4)日本で企画・制作されたアニメやキャラクターなどの知的財産。

(榊原悠生)

(ブラジル)

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