米イーライリリー、未承認肥満症薬の違法販売者を提訴

(米国)

シカゴ発

2026年08月13日

米国製薬大手イーライリリー(本社:インディアナ州)は8月12日、肥満症や糖尿病などを対象に開発中の「レタトルチド(Retatrutide)」の違法販売に関与したとして、米国内の6社を提訴したと発表した。6社には、調剤薬局やメディカルスパ(美容医療施設)、オンライン販売事業者などが含まれる。また同社は、SNS事業者や電子商取引(EC)プラットフォーム、クレジットカード会社、決済代行会社、物流事業者などに対し、同薬の違法流通対策への協力を呼びかけた。

「レタトルチド」は現在、第3相臨床試験(最終段階の治験)を実施中の開発品で、現時点ではいずれの国の規制当局からも人体への使用について承認を受けていない。米国食品医薬品局(FDA)も未承認の「レタトルチド」について、消費者向け販売は違法との見解を示している。

イーライリリーの最高医療責任者(CMO)のデビッド・ハイマン氏は発表で、「当社は、開発中の医薬品の安全性と有効性を評価する責任を重く受け止めている。闇市場で販売されているものは医薬品ではなく、検証も承認も全くされておらず、(使用に伴う)リスクを負う価値はない」と述べた。

同社によると、「レタトルチド」の違法販売について、これまでに200件超の個人・事業者をFDAや司法当局などへ通報したほか、100カ国以上で確認された1万4,000件超のウェブサイトや広告、SNS投稿、商品掲載情報をプラットフォーム事業者へ通報したとしている。

近年、肥満症治療薬への関心の高まりを背景に、未承認品や模倣品の流通や、美容・痩身(そうしん)目的での適応外使用などについて、FDAや欧州医薬品庁(EMA)、日本の厚生労働省が注意を呼びかけている。

(坂井愛子)

(米国)

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