河川の水位低下で関係者会合開催、内陸水運に制限、物流網や生産に影響
(ドイツ)
ミュンヘン発
2026年08月17日
長引く猛暑と雨不足により、ドイツ国内の河川の水位が低下している。連邦水域研究所(Bundesanstalt für Gewässerkunde (BfG))の「低水位情報システム」によると4段階の水位レベル中で最も水位が低い「極端な低水位」とされる観測地点の割合が、ライン川では51.7%、ドナウ川は85.7%に達している(8月14日時点)。河川を利用する内陸水運の制限を受け、荷主である製造業の物流網や生産に直接的な影響が生じていることから、連邦交通省は内陸水運会社、港湾関係者、企業の代表者と8月6日に会合
を開催した。
シュテフェン・ビルガー連邦交通相は「内陸水路網の安全性、信頼性、輸送機能は確保されているものの、船舶の航行は現在とても厳しい状況下で行われていると」とコメント。また、陸上輸送への切り替えが必要であれば大型トラックの日曜日・祝日の道路走行規制の緩和を各州と調整すること、船から陸送や鉄道輸送への貨物の積み替えを柔軟に実施できるようドイツ国鉄のインフラ管理会社は河川の低水位を受けてドイツ南北物流の特別コーディネーターを設置したこと、などが会合で言及された。
金融機関シュパールカッセによると、ドイツ国内の輸送は陸送が約71%、鉄道輸送が約20%、内陸水運は約7%だが、内陸水運は主に石炭、石油製品、鉱石、化学製品、建築資材、穀物など重量物を大量に運送している。特にライン川沿いの石油の貯蔵・精製施設は内陸水運に頼っていることから、低水位により積載量が制限されると輸送コストが上昇し、結果としてドイツ南部では北部に比べてガソリン代が高くなる傾向が出ているという。今後も低水位状態が続いた場合、内陸水運の制限により影響を受ける物資としては、暖房用燃料油、プラスチック製品、包装材、建築資材などで、価格上昇の可能性があると指摘している。
ドイツの内陸水運業界団体BDBによると、貨物の種類や運航区域によっては、船舶は通常の4分の1以下の積載量で運航されている。総合物流企業RheinCargoは、グループ会社であるHGK Dry Shippingが顧客である製鉄メーカーに1日当たり約2万4,000トンの石炭と鉱石をロッテルダムからデュイスブルクまで輸送しているが、水位低下により、水路輸送能力が1万4,500トンにとどまっていることから、同区間において2,000トンの輸送能力がある貨物列車を週3往復運行すると発表した。
また、河川の水位に応じて追加料金を設定している物流企業も出てきている。ある企業はライン川のケルンでの水位が106センチメートルを下回る場合、コブレンツからケルンまでの輸送に追加料金を設定している。例えば、105~96センチメートルの場合は20フィートコンテナ200ユーロ、65~55センチメートルの場合は685ユーロとなっている。
(鷲澤純)
(ドイツ)
ビジネス短信 0fab8665d4559ea0





閉じる