ジェトロ、高度人材採用・産学連携に向けベトナムの2大学を紹介
(ベトナム、日本)
ハノイ発
2026年08月28日
ジェトロは8月7日、日本企業の高度人材採用や、ベトナムの大学との産学連携の促進を目的に、フェニカー大学とFPT大学(いずれもハノイ市)を紹介するセミナーを開催した。本イベントは、海外大学と日本企業の連携を促進する「JETRO Overseas University Connect」の一環で、世界で25回目、ベトナムでは8回目の開催となった。
前半では、フェニカー大学学生支援・起業部副部長のグエン・ティ・キム・サウ氏が登壇した。同大学は約3万5,000人の学生を擁し、工学、IT、ヘルスケアで教育・研究を展開している(2025年4月21日記事参照)。2025年には、7つの専門学校・学部体制へ再編し(注1)、自動運転、半導体技術などの研究開発にも取り組んでいる。同大学は、日本語学科や日本での就職に向けたITコースも設置するほか、日本企業への就職を志望する学生向けには、日本語や日系企業への就職に必要な知識を教える。同大学傘下の専門学校である情報技術学校のマイ・スアン・チャン副学長が続いて登壇し、人工知能(AI)・量子AIの研究ラボやHPC(注2)環境など高度な研究基盤を有することや、同校学生の国際ハッカソンでの入賞や日系企業への就職実績などを説明した。
後半では、FPT大学の企業・卒業生関係課のブー・ティ・フォン・タオ・マネージャーが登壇した。同大学は、2006年にFPTグループが設立した実践的な教育を重視する大学だ。現在はハノイ市、ホーチミン市、ダナン市、カントー市、ザライ省クイニョンの5カ所にキャンパスを展開し、IT、AI、半導体、経営などの分野で人材を育成している。同大学は、日本向けブリッジSEの育成にも注力し、全学生に約4カ月の専用プロジェクトを実施する。
両大学はIT・AI分野を中心に産業界との連携を進めており、実践的な教育の強化や卒業生のキャリアパス拡大に向け、日本企業との共同研究、インターンシップ、人材育成などの連携拡大に意欲を示した。イベント参加者からは、学生の日本での就職に対する志向について質問が寄せられた。大学側は、円安の影響などで、日本への就職希望者の増加ペースにはやや落ち着きがみられるものの、学生の関心は引き続き高いと説明した。また、日本企業が採用時に実務経験を重視する傾向を踏まえ、卒業後にベトナムで経験を積んだ後、日本での就職を目指す学生も増えていると指摘した。
フェニカー大学の発表(ジェトロ撮影)
FPT大学の発表(ジェトロ撮影)
(注1)ベトナムの大規模な総合大学では、大学の傘下に専門分野ごとの「単科大学」や「専門学校」を設置する、いわゆる「大学の中の大学(アンブレラ・ユニバーシティー)」型の組織構造が採用されており、日本の大学における「学部」に相当する位置付けとなる。
(注2)HPC(High Performance Computing:ハイパフォーマンス・コンピューティング):大規模な科学技術計算やAI・ディープラーニングなどの高度なデータ処理を高速で行うための超高品質・高スペックなスーパーコンピューティング環境のこと。
(ファム・ズン、吉田薫)
(ベトナム、日本)
ビジネス短信 0ba5cbc3f3ccd2b9





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