ジェトロ、トルコでサッカービジネスセミナーを開催

(トルコ)

イスタンブール発

2026年07月23日

ジェトロは6月23日、イスタンブールでトルコのサッカー産業、サッカービジネスをテーマとした日系企業向けセミナー「トルコ・日本におけるサッカービジネスの可能性と展望」を開催した。サッカービジネスとは、企業や投資家がクラブチームへのスポンサーシップや投資、選手移籍への関与を通じて利益や広告効果を生み出すビジネスだ。講師にはサッカー代理人・ビジネスコンサルタントとして市場分析、スカウティング、移籍支援、マーケティング支援を行うバトゥハン・チャクルロール氏を招き、トルコのサッカー市場動向、日本企業のトルコサッカー業界におけるビジネス機会について解説した。

セミナーでは、欧州におけるトルコのサッカー市場の立ち位置について説明。1992年のイングランド・プレミアリーグ発足、UEFAチャンピオンズリーグの新フォーマットへの刷新などを契機に、欧州サッカー市場は巨額の放映権収入を中心とした世界最大級のスポーツビジネスへと変化した点を解説した。欧州5大リーグのような主要リーグにおいては、放映権ビジネスやスポーツブランドへの参入に巨額の資金が必要となる。その中でトルコのサッカー市場は欧州マーケットの一部でありながらコストパフォーマンスが高い投資先であると指摘した。

具体例として、トルコリーグが欧州主要リーグへの「ゲートウェイ」として機能している点が挙げられた。トルコはUEFA加盟国であるため、トルコのクラブはチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなど欧州主要大会に出場する機会を有する。そのため、トルコのクラブとの連携は欧州全域へのブランド発信が可能になることが強調された。

観客動員数の面でもトルコ市場の特徴を紹介。2025-2026年のトルコ1部リーグ(スペル・リグ)における観客動員数ではイスタンブールの有力クラブであるガラタサライ、フェネルバフチェ、イズミルに拠点を置くギョズテペも70%以上の客席充足率となるなど地域住民とクラブの関係が深いことを挙げ、欧州最大規模の人口とスタジアムへ何度も足を運ぶファンへのアクセスも可能だと述べた。

また日本企業のビジネス機会として、トルコのクラブへの「スポンサーシップ」「直接投資・買収」の可能性を解説。スポンサーシップにおいては、トルコでは育成アカデミー部門への投資に税制優遇が適用されることもあり高い費用対効果が見込まれるとした。直接投資・買収においては複数企業でクラブへ出資するコンソーシアム型の経営を紹介。資金力のある企業がメインスポンサーとなり、他の企業がデータ分析、スカウティング、EC運営などを分担することで、日本企業にとっても効率化とリスク分散の両立が可能になる利点を挙げた。

移籍金ビジネスにおいても、トルコのクラブからより市場規模の大きい欧州リーグへ移籍させることで、企業ブランドを現地マーケットに浸透させると同時にユーロやドルベースの収益源を確保することができる点を紹介した。

2026年4月には日系企業の「DyDo DRINCO Türkiye」がトルコの総合スポーツクラブであるベシクタシュとスポンサーシップ契約を締結するなど、トルコにおけるスポーツビジネスにも動きがみられる。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

(遠藤誠吾)

(トルコ)

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