英政府、ブリティッシュ・スチールを国有化
(英国、中国)
ロンドン発
2026年07月23日
英国政府は7月16日、英鉄鋼大手ブリティッシュ・スチールの国有化を発表
した。同社は2019年2月に経営破綻した後、2020年3月に中国の敬業集団に買収されたが、2025年3月に市場環境の悪化や環境関連のコスト増大、米国による追加関税などの影響を背景に、スカンソープ製鉄所の高炉と製鉄事業の閉鎖などの検討が発表された。これを受けて議会は、操業を継続させるための緊急法案を可決し、政府に管理権限を付与した(2025年4月16日記事参照)。政府は民間企業との共同投資を模索していたが、5月に鉄鋼産業(国有化)法案を提出。上下両院の承認後、7月15日の国王裁可を受け、国益を守るためには同社を国有化することが必要であると結論付けた。
7月17日付BBCによると、中国商務部は、「こうした動きは敬業集団の正当な権利と利益を侵害し、英国に投資する中国企業の信頼を著しく損なった」とコメント。また、今後の展開を注視し、中国企業の権利保護を支援するとしたが、具体的な措置については言及しなかったとしている。
英国の鉄鋼業界団体UKスチールは7月16日、声明を発表。国有化を歓迎するとともに、「新政権(注)の最優先課題は、ブリティッシュ・スチールを商業的に持続可能にし、近代的で低炭素の製鉄への投資を確保し、鉄鋼業界の成長に必要な競争力のあるビジネス環境を構築するための長期計画を策定することだ」とコメントした。
(注)7月20日、前グレーター・マンチェスター市長のアンディー・バーナム氏が新首相に就任した。
(野崎麻由美)
(英国、中国)
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