週労働時間42時間制への移行完了、中小企業でコスト増懸念
(コロンビア)
ボゴタ発
2026年07月23日
コロンビアで7月15日、2021年法律第2101号に基づき段階的に進められてきた労働時間短縮の最終段階を迎え、週当たりの法定労働時間が従来の48時間から42時間へ短縮された。この42時間制への移行により2023年から段階的に実施されてきた制度改革が完了したかたちとなる。
同法では、労働時間短縮を理由とした給与や福利厚生の削減を認めておらず、労働者の権利は維持される。また、労働時間は週5日または6日に分配できるほか、労使合意がある場合には、週42時間を上限として1日4~9時間の柔軟な勤務形態を導入できる。さらに、企業の活動を週7日途切れることなく継続して運営するために、一定期間または無期限で連続したシフト勤務を行うことに合意することができる。この合意の下では1日最大6時間の勤務体制も認められているが、週当たりの最長の勤務時間は36時間までとなる。
コロンビア人的資源管理連盟(ACRIP)の調査によると、労働時間短縮はワークライフバランスの改善につながるとして労働者から肯定的に受け止められている。一方で、企業の68%が収益性への悪影響を懸念している。対応策として、回答企業の51.2%が勤務シフトを再編し、48.2%が企業文化改革、30.1%が組織再編を実施した。
コロンビアの大手法律事務所のゴドイ(Godoy)のアンドレス・ドゥケ弁護士は、「企業は単に労働時間の短縮に対応するだけでなく、経営構造や人件費への影響を見直す必要がある」と指摘する。ACRIPの調査でも、生産性の維持、時間外労働増加によるコスト負担への対応、顧客サービス水準の維持が企業の主要課題として挙げられた。特に中小零細企業への影響は大きいとみられている。今回の労働時間短縮は、ペトロ政権が進める労働改革と並行して実施されており、日曜・祝日勤務に対する割増率の引き上げや夜間労働時間帯の拡大、新たな祝日の制定などにより企業負担が増しているためだ。
コロンビア中小企業協会(ACOPI)のマリア・エレナ・オスピナ会長も、「中小企業は追加雇用や自動化への投資余力が限られているため、大企業より大きな影響を受ける」との見方を示した。ACOPIは、2026年に正規雇用労働者1人当たりの雇用コストが業種によって20~30%増加する可能性があると試算している。また、時間当たり労働コストは、週46時間労働時と比べて9.5%上昇するとしている。こうした状況を受け、ACOPIは企業向け支援策の必要性を訴えている。一方、ACRIPは、勤務時間ではなく成果や目標達成度を重視する人事評価制度への移行や、業務プロセスの見直し、シフト運営の最適化などを通じて生産性向上を図るべきだと提言している。
(アンドレス・ゴンザレス、木村香菜)
(コロンビア)
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