ASEAN事務局、外国直接投資統計を更新、域内からの純流入は増加、日本からは減少

(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、東ティモール)

ジャカルタ発

2026年07月23日

ASEAN事務局が7月1日に更新した外国直接投資(FDI)統計によると、2025年のASEAN向けFDI純流入額(フロー)は前年比10.1%増の2,456億6,400万ドルとなった。2021年以降、5年連続で2,000億ドルを上回った。ASEAN域内からの投資は34.2%増の396億4,900万ドルで、全体の16.1%を占めた(添付資料表1参照)。

国・地域別では、ASEAN域内投資の大半を占めるシンガポールが41.8%増の337億1,200万ドルで最大だった。これに、米国が12.0%減の300億4,500万ドル、中国が0.5%増の262億4,400万ドル、香港が32.0%増の165億3,100万ドルと続いた。オランダは前年の14億1,000万ドルから103億9,300万ドルへ大幅に増加した一方、英国は36.4%減、台湾は35.0%減となるなど、主要投資元の動向は分かれた。

主要投資元別に投資先産業をみると、ASEAN域内からの投資は、製造業が41.2%増の143億8,800万ドルで最大となり、金融・保険業が82.4%増の80億6,900万ドル、情報通信業が2.1倍の74億7,800万ドルで続いた。シンガポールからの投資も、製造業が24.4%増の127億9,700万ドルとなったほか、情報通信業は2.6倍の78億2,700万ドル、金融・保険業は6.4倍の61億7,500万ドルに拡大した(添付資料表2参照)。

中国からの投資では、製造業が50.3%増の106億7,800万ドル、金融・保険業が2.1倍の66億5,900万ドルとなった。米国からの投資では、金融・保険業が71.9%減の127億4,900万ドルとなったものの、同国の投資先産業で最大だった。専門・科学・技術サービス業は、2024年のマイナス93億8,200万ドル(引き揚げ超過)から47億1,000万ドルのプラスに転じた。アイルランドの同産業、オランダの卸売・小売業、自動車・二輪車修理業、英国の情報通信業もマイナスからプラスに転じた

日本からの投資は48.9%減の95億5,800万ドルとなり、ASEAN向けFDI全体の3.9%を占めた。産業別では、金融・保険業が29.3%増の71億6,700万ドルで最大となった。一方、製造業は72.8%減の10億3,200万ドル、不動産業は18.8%減の6億500万ドルとなった。

ASEAN事務局と国連貿易開発会議(UNCTAD)は、2025年10月に公表した「ASEAN投資報告書(AIR)2025年版」で、関税引き上げや地政学的緊張に対する投資家の懸念から、2025年の国際投資環境に慎重な見通しを示していた。一方、今回の統計では、ASEAN向けFDIは10.1%増加し、ASEAN域内や中国、シンガポールなどからの投資が拡大した一方、日本や米国などからの投資は減少するなど、投資元によって動きが分かれる結果となった。

(大滝泰史)

(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、東ティモール)

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