バングラデシュで半導体シンポジウム開催、政府はビジネス環境整備に着手
(バングラデシュ)
ダッカ発
2026年07月29日
バングラデシュ半導体産業協会(BSIA)は7月25~26日、科学技術省などとの共催による「国家半導体シンポジウム」をダッカ市内で開催した。本シンポジウムでは半導体を中心に、電子・人工知能(AI)・ロボティクス分野にも焦点を当て、人材育成や研究開発、海外企業との連携、投資促進の必要性などを議論した。
シンポジウムの様子(ジェトロ撮影)
演説したタリク・ラフマン首相は「半導体は縫製産業に次ぐ成長エンジンになり得る。政府は、経済の繁栄に資する大きな原動力を現実のものにするため、ビジネス環境の整備を含む包括的な計画の実施に向け既に着手している」と述べた上で、世界の半導体市場が2026年中に約1兆ドルに達するとの見通しがある中、バングラデシュにも市場拡大の恩恵を取り込む余地があると強調した。
また、2026/2027年度(2026年7月~2027年6月)予算では、半導体産業向け原材料にかかる関税・税金を撤廃したほか、半導体設計サービスの輸出収入に対する現金インセンティブ制度の導入を進めていると明らかにした。投資環境の整備については、保税制度の導入や産業インフラの整備を進め、国内外からの投資誘致を促進する考えを示した。既存のハイテクパークの機能強化に加え、新たなバイオテクノロジーパークの設立計画も進めると述べた。
バングラデシュ出身で米国パデュー大学のムハンマド・ムスタファ・フセイン教授は、自身がBSIAなどと推進する「シリコン・リバー構想」について説明し、(1)人材育成、(2)研究開発、(3)産業育成、(4)国際連携、(5)イノベーションの5つの戦略の柱に基づき活動し、(1)に関してはこれまでに3,500人以上の育成を実現したと語った。また、2035年にはバングラデシュのディープテック市場規模1,500億ドル、年間輸出額1,200億ドル以上、高付加価値雇用100万人、高度人材育成50万人以上を達成できるよう活動を継続していきたいとした。
同教授によれば、バングラデシュの半導体産業では、後工程(OSAT)や設計分野を中心に育成が図られており、半導体関連企業は約22社、半導体エンジニアは3,500人、半導体設計企業は約100社、OSAT関連企業は約20社存在し、ウエハー加工能力については約150ミリメートル(mm)に対応可能で、年間売り上げは約1億ドル、国際企業との提携実績は15社以上になっているという。
ラフマン首相は、半導体分野における技術力の不足や世界的な激しい競争を認識しており、より一層、才能のある若者や革新的な能力を支援していく考えを示した。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
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