フジモリ氏がペルー大統領に就任、予見可能性の高い国を目指すと演説
(ペルー)
リマ発
2026年07月29日
ペルー独立記念日の7月28日、首都リマの国会議事堂においてケイコ・フジモリ新大統領の就任式が行われた。任期は2031年7月までの5年間だ。
大統領選挙の決選投票を僅差で勝利したフジモリ大統領は就任演説で、国民の支持が二分されたことを踏まえ、新政権では対話を重視する姿勢を強調し全国民が協力してペルーの発展のため共通の課題に取り組むことが必要だと呼びかけた。また、長年にわたり政治の混乱と政府の弱体化によりペルーの経済成長を享受できなかった国民に寄り添うため、政府と地方公共団体が一体となって政策の計画から執行まで行える体制を構築すると述べた。
新政権が取り組む最優先課題としてエルニーニョ現象と治安への対策を挙げた。エルニーニョ現象の被害に備え、河川整備、被災地域に対する食料・水・薬品の輸送網整備、農業支援を盛り込んだ緊急対策計画を策定することを明らかにした。
治安対策では、国内外で活動する犯罪集団、密輸集団、違法鉱業者の取り締まりと解体のため、憲法の範囲内で政府として取り得る全ての対策を講じる方針だ。国家警察の機能強化のため、防犯カメラと人工知能(AI)を活用した犯罪発生地点のデータベースを用いて機動的に動く指令センターを設置する。
インフラ面では公共投資と企業投資を加速させ、上下水道、電気、通信、道路、鉄道、港湾、空港の整備を強化する。企業投資円滑化のため、不要な規則の撤廃と行政手続きの簡素化を進め、サービス志向の政府を目指すとしている。また、ペルーは法的安定性を重視し、投資を検討する企業から見て予見可能性の高い国であり続けると明言した。さらにデジタル庁を新設し、国民にデジタルIDを付与することで、行政サービスのデジタル化による質と生産性の向上を図る。
労働・中小企業対策では、インフォーマル労働者の正規雇用化と中小企業経営支援を並行して進める。具体的には法的最低賃金を現在の1,130ソル(約5万4,240円、1ソル=約48円)から1,300ソルに引き上げる。その際、労働者を正規雇用に切り換えて人件費の増加に責任を持って取り組む中小零細企業を対象に政府が補償金を支給する。また新政権発足後100日以内に中小企業支援の政府機関(PROMYPE)を立ち上げる。
通商外交政策では、国際的な経済枠組みの構築と強化を基本方針とし、太平洋同盟、APEC、アンデス共同体(CAN)、中南米諸国、中東諸国との関係を強化すると発言した。また、ペルーは地理的優位性から中南米諸国と各地域の貿易のハブになると強調した。
(石田達也)
(ペルー)
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