バングラデシュ、食品事業者の登録・ライセンス制度を導入
(バングラデシュ)
ダッカ発
2026年07月28日
バングラデシュ政府は7月16日、「食品安全(登録・ライセンス)規則2026」を官報公布し、即日施行した。新規則は、食品の製造、加工、輸入、保管、流通、販売に関わる事業者を対象に、バングラデシュ食品安全庁(BFSA)への登録またはライセンス取得を義務付けるもので、食品安全管理の強化と事業者監督の徹底を目的としている。
新規則では、食品事業者を「登録」対象と「ライセンス」対象に区分する。レストラン、ベーカリー、ジュースバー、ケータリング事業者、菓子店、乳製品メーカー、包装食品メーカー、加工食品輸入業者などは登録の対象となるほか、屋台や露店など小規模事業者にも登録義務が課される。一方、乳児用食品や医療・高齢者向け食品、栄養強化食品、有機食品、遺伝子組み換え食品、放射線照射食品、食用油の商業生産・輸入、民間倉庫・冷蔵施設などは、より厳格なライセンス制度の対象となる。登録・ライセンスの有効期間はいずれも3年間で、更新が必要となる。
登録料は1,000タカ(約1,300円、1タカ=約1.3円)、更新料は500タカ。ライセンス料は施設規模などに応じて設定され、特に大型倉庫では最大4万タカとなる。また、一部の手数料は貨物価格(C&F価格)を基準に算定されるため、輸入事業者などでは負担が変動する可能性がある。
これに対し、産業界からは制度の必要性を認めつつも、規制負担の増加を懸念する声が上がっている。大手食品メーカーのプラン・アールエフエル(PRAN-RFL)グループは、食品関連事業の開始に当たり既に17の政府機関から許認可を取得する必要があるとして、新制度は「18番目のライセンス」になりかねないと指摘した。乳製品などを広く手掛けるメグナ・グループも、複数機関による重複規制が企業負担や行政コストを増大させ、政府が進めるシングルウィンドウ政策とも整合しないとの見方を示している(「デーリー・スター紙」7月22日)。レストラン業界からも、約48万店の事業者への一律適用は現実的ではなく、段階的な制度導入を求める声が出ている。
これに対しBFSAは、当面は大規模な工業生産事業者を重点的な監督対象とし、既にバングラデシュ標準試験機関(BSTI)の認証を取得している事業者についても、食品安全の観点から独自に監視を継続すると説明した。また、輸入食品の監視体制を強化するため、港湾4カ所に配置する食品安全担当官25人の採用を進める方針を明らかにしている。
今回の規則は、食品安全基準そのものを改定するものではなく、食品事業者を登録・ライセンス制度の下で一元的に管理する枠組みを整備する点に特徴がある。政府は包装食品表示規則案を含む関連規則の整備も進めており、食品関連事業者には制度全体の動向を注視することが求められる。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
ビジネス短信 ac34c9df10754e06





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