米新学期商戦の売り上げ見通しは過去最高の1,468億ドルも、消費者の節約志向強まる
(米国)
ニューヨーク発
2026年07月24日
全米小売業協会(NRF)が7月21日に開催した、新学期商戦の消費動向に関する年次ウェビナーによると、2026年の同商戦における総支出額は1,468億ドルになる見通しだと発表した。内訳は、幼稚園から高校(K-12)向けが433億ドル、大学向けが1,035億ドルと、いずれも過去最高額を更新すると予測している。他方、消費者にとって新学期の必需品の購入は優先事項だが、価格の手頃さを重視し、予算管理に対して慎重な姿勢を崩していないことが指摘された。
NRFが7月に実施した調査(注)によると、消費者の61%が新学期用品の値上がりを実感している。予算内に支出を収める対策として、「価格比較の徹底(46%)」や、「ディスカウントストアの利用(41%)」が上位を占めた。また、学用品費の確保に向けて「他項目の予算削減(37%)」にとどまらず、「後払い決済(BNPL)の利用(20%)」や「残業の増加(17%)」など、節約志向を強め、あらゆる手段で家計をやりくりする姿勢が浮き彫りとなっている。
こうした状況下、新学期商戦では消費者の分散購買と大型セールの活用が定着し、購買スケジュールの長期化を招いている。同調査によると、買い物の開始時期自体は「7月上旬まで」に62%が着手するなど早期化の傾向にあるものの、45%が7月上旬時点で「進捗率50%以下」にとどまる。背景には、小売り各社のセールやプロモーションを見極める慎重姿勢がある。「進捗率50%以下」と回答した人のうち、 46%が「最良の価格(ディール)」の到来を待ち、23%が「予算(の使用時期)の分散」を意識している。
また、回答者全体の47%は学校が始まるまでに購入する製品を「目先の必需品」のみに絞り、不足分は年間を通じて順次補充する計画だと回答した。一方で、米国の新学期商戦は、これまでは新学期が始まる8月ごろから購買を始めるのが通例だったが、近年はその傾向に変化がみられる。特に2026年はアマゾンの「プライムデー」が6月に開催されたこともあり、同月を中心に実施された主要小売り各社のセールを、新学期の準備に先行して活用する消費者の動きがみられた。
ウェビナーに登壇したNRFの消費・産業部門副主任のアリソン・ゼラー氏は、これらの調査結果を踏まえ、「今後も、各種ホリデー商戦の早期化が予測される。消費者の購買行動が保守化する中、プロモーションの重視や、より手頃な価格を求めて複数の店舗を比較する傾向は続いていくだろう」と指摘した。
(注)実施期間は7月1~8日、対象者は米国の消費者7,677人。
(樫葉さくら)
(米国)
ビジネス短信 a14a2e435090c6ac




