ラオスがハーグ協定への加入書を寄託、10月発効

(ラオス)

ビエンチャン発

2026年07月23日

ラオス政府は7月14日、「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定」への加入書を世界知的所有権機関(WIPO)に寄託した。同協定はラオスについて2026年10月14日に発効する。ラオスは85番目のハーグ協定加盟国となる。また、これによりWIPOの国際意匠登録システムの対象地域は102カ国に拡大する。

これまで外国企業がラオスで意匠権による保護(注1)を受けるには、ラオス商工省知的財産局(DPI)に対し、現地の言語や手続きに従って個別に出願する必要があった。ハーグ制度の運用開始後は、WIPO(eHagueなど)に対して1件の国際出願を行い、出願人が保護を希望するラオスを含む加盟国を指定して意匠保護の申請を行うことが可能となる。これにより、出願手続きの簡素化や現地代理人費用の軽減に加え、国際的な意匠権の取得・管理の効率化が期待されることから、ラオスへの事業展開や投資の促進につながる可能性がある。

一方で、出願窓口がWIPOに一本化されるものの、ラオスや他の指定国を指定しただけで自動的に意匠権が成立するのではない点には留意が必要だ。ラオスで保護を受けるためには、ラオス国内法が求める登録要件を満たさなければならない。

ラオスにおける意匠制度は「改正知的財産法(No.50/NA、2023年11月20日付)」およびその施行規則である「意匠に関する商工省大臣合意(No.3264/MOIC、2025年12月15日付)」を主な法的根拠として運用されている。意匠登録を受けるためには、出願日または優先日以前に世界のいずれの場所でも公開されていないという「新規性」と、対象物品に対して特別な外観上の特徴を付与するという「装飾性(注2)」の双方を満たす必要がある。また、社会秩序または国家の善良な文化・習俗に反するデザインは登録を受けることができない。

また、ラオスの意匠制度は、主として物理的な製品の外観を保護対象として想定している。このため、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)やアイコンなどのデジタルデザインが保護対象に含まれるかは、他のASEAN諸国と同様、なお解釈の余地が残されている。

(注1)ラオス法における意匠とは、製品の外観を構成する形状、模様、線、色彩またはその組み合わせをいう。保護期間は出願日(優先権主張がある場合は優先日)から15年間であり、権利維持のためには5年ごとに登録料を納付する必要がある。

(注2)「意匠に関する商工省大臣合意」では、物品に特別な外観上の形状が備わっていると認められる場合に装飾性の要件を満たすとされる。一方で、物品の外観上の特徴がその物品の技術的機能のみによって決定される場合には、装飾的特徴とは認められない場合がある(第17条)。

(山田健一郎)

(ラオス)

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