欧州委、大学発スタートアップ創出促進へ知的財産活用の新指針策定を開始
(EU)
デュッセルドルフ発
2026年07月31日
欧州委員会の研究・イノベーション総局は7月9日、大学や公的研究機関の研究成果の事業化促進に向けて策定を進めている「知的財産ライセンスとスピンオフ企業創出に関するEUの指針(Blue Print)」に関するディスカッションペーパーを公表し、意見募集を開始した。意見募集の期限は8月16日までで、同指針は2026年末までに策定される予定だ。
同指針は、大学発スタートアップの創出や研究成果の社会実装を促進するため、大学や研究機関における技術移転や知的財産活用の実務改善の方向性を示すものだ。対象となる知的財産には特許だけでなく、ソフトウエア、データ、ノウハウなども含まれる。
提案では、大学や研究機関に対し、技術移転やスピンオフ企業創出に関する契約・手続きの標準化と迅速化を求めている。具体的には、標準的な契約様式やライセンス契約の活用、迅速なライセンス供与ルートの整備、透明性の高い交渉プロセスの導入などを推奨している。
また、大学発スタートアップ向けの知的財産取引については、複雑な評価手法や過度な契約条件を避け、市場慣行やベンチマークを踏まえた実務的な運用を推奨した。さらに、大学が短期的な収益確保を優先するのではなく、投資家や市場の期待を踏まえた柔軟な対価設定を行うとともに、過大な前払い費用や複雑な契約条件を避けるべきとしている。
このほか、大学による技術移転収入の配分ルールの明確化、知的財産のライセンスを通じた研究成果の継続的活用、ソフトウエアやデータを含む幅広い知的財産の管理・活用方針の整備なども提案している。
今回の取り組みは、EUスタートアップ・スケールアップ戦略の一環として位置付けられており、大学や研究機関に蓄積された技術の事業化を通じて、欧州発のディープテック企業の創出と成長を後押しすることを目指している。
(吉森晃)
(EU)
ビジネス短信 82b9359b75dbe135





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