ジェトロ、浜松で日独オープンイノベーションフォーラムを開催
(日本、ドイツ)
浜松発
2026年07月21日
ジェトロは7月14日、ドイツのフラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所(以下、フラウンホーファーIPA)、浜松市および静岡県工業技術研究所との共催により、「日独オープンイノベーションフォーラム in 浜松」を静岡県浜松市で開催した。
本フォーラムは、ドイツの企業や研究機関との連携可能性を探ることで、主に製造業分野における静岡県内企業の競争力向上につなげることが目的。中でも、自動車関連産業やものづくり企業が集積する浜松地域と、メルセデス・ベンツやポルシェなど世界有数の製造業クラスターを有するシュツットガルト地域との連携可能性に着目し、両地域間のオープンイノベーションの促進を目指した。フォーラムでは、シュツットガルト市経済開発部イノベーション部門責任者のコンスタンティン・シュナイダー氏が開会あいさつを行った。
講演では、産業技術総合研究所執行役員兼材料・化学領域長の遠藤明氏が、サーキュラーエコノミーをテーマに登壇し、その実現には技術革新に加え、企業間連携やサプライチェーン全体での取り組みが重要であると説明した。また、フラウンホーファー研究機構海外関連代表部のトルステン・ニンケ氏およびフラウンホーファーIPAのイビチャ・コラリッチ事業セグメントマネージャーは、中国メーカーの台頭やEV(電気自動車)化の進展などにより、日本とドイツの製造業が大きな変革期に直面しているとの認識を示した。その上で、持続可能なものづくりの実現には、組織の垣根を越えて連携するオープンイノベーションが不可欠であると強調し、シュツットガルトにある次世代モビリティのための産学連携オープンイノベーション拠点「ARENA2036
」をはじめとする取り組みを紹介した。
ドイツから来日したフラウンホーファーIPAのイビチャ・コラリッチ事業セグメントマネージャー(ジェトロ撮影)
企業による実践事例の紹介では、はじめに富山県の産業機械メーカーであるスギノマシン代表取締役社長の杉野岳氏が登壇した。同氏は、フラウンホーファーIPAとの共同研究を通じて、新たな研究領域の開拓や技術の高度化が進んだほか、同研究所のネットワークや知名度を活用することで欧州市場での事業展開にもつながったと説明した。さらに、オムロンのグローバルアカウント営業部長の兵藤樹氏およびオムロン・ヨーロッパのルシアン・ドルト博士は、オムロンがシュツットガルトに拠点を設け、産学連携プラットフォーム「ARENA2036」に参画している背景を説明した。参画により顧客との価値検証がより簡単にできるようになった効果などを紹介し、現地エコシステムに参画する意義を強調した。
スギノマシン代表取締役社長の杉野岳氏による講演の様子(ジェトロ撮影)
当日は、県内製造業を中心とした企業関係者や支援機関、自治体関係者ら40人以上が参加した。参加者からは、「自社と連携可能なドイツの企業とつながりたい」といった声が聞かれ、ドイツの研究機関や企業との連携に対する高い関心がうかがえた。
(伊藤善行、杉山希実)
(日本、ドイツ)
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