ハンガリー大統領、自身の任期終了を定める憲法改正案に署名

(ハンガリー)

ブダペスト発

2026年07月24日

ハンガリーのシュヨク・タマーシュ大統領は7月18日、第17次憲法(基本法)改正案に署名した。これにより本改正は翌19日に発効し、2024年2月のノバーク・カタリン前大統領の辞任を受けて同年3月に就任したシュヨク大統領の任期は、翌20日付で終了した。

今回の憲法改正案は、総選挙で3分の2以上の議席を獲得したティサ党政権が主導し、7月13日に議会で可決された。政府が法の支配と民主的憲政秩序の回復を掲げる中、マジャール・ペーテル首相らは、シュヨク氏が十分な役割を果たさず、大統領府の権威低下を招いたと批判し、同氏に対して大統領を辞任するよう繰り返し求めてきた。

一方、シュヨク氏は動画声明で本改正には重大な憲法上の問題があるとの認識を示した。ただし、大統領には憲法改正の内容そのものを憲法裁判所に提訴する権限はなく、法的に阻止する手段がなかったために署名したと弁明した。また同氏は2026年5月に欧州評議会の憲法問題に関する諮問機関であるベネチア委員会に意見を求めたが、同委員会は本件を10月に審議する予定で、政府はその見解を待たずに成立を急いだと指摘した。

本改正には現職大統領の任期終了のほか、国会議員の在職期間を通算12年までに制限する規定や、70歳以上の憲法裁判官の退任規定なども盛り込まれた。

最大野党である前政権のフィデス・KDNPの国会会派連合は、本改正案の議会での採決をボイコットした。ボーカ・ヤーノシュ前EU担当相は7月9日、ハンガリー国際報道協会主催の記者会見において、特に議員任期を遡及(そきゅう)的に12年に制限する規定について、(オルバーン・ビクトル前首相を含む)野党側の有力政治家の多くを次回総選挙から排除する一方、与党ティサにはほとんど影響しないとして、政治的競争を損なうものだと批判した。また人権団体ハンガリー・ヘルシンキ委員会は、本改正案に対する意見募集期間が5日間しか設けられなかったことや、改正理由の説明が極めて簡素で不十分だったことなどについて懸念を示した。

後任の大統領が選出されるまで、国会議長のフォルシュトホッフェル・アーグネシュ氏が同権限を代行する。議会は30日以内に新大統領を選出する必要がある。マジャール首相は、国家の統一を体現し、政治的経歴や所属政党にとらわれない与野党双方が受け入れられる人物が望ましいとの考えを示している。

またマジャール政権は、今回の改正は法治主義に基づく民主主義の機能に不可欠な条項に焦点を当てたため、全面的な憲法改正ではなく、根本的な問題は新憲法で解決されると考えている。同政権は今秋からの新憲法の草案作成着手を計画しており、次期大統領は新憲法が発効するまでの期間(任期は最長5年)を担うことになる。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー)

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