モルドバ新内閣発足、優先政策にEU加盟と経済成長
(モルドバ)
調査部欧州課
2026年07月24日
モルドバ議会(一院制、定数101)は7月21日、マイア・サンドゥ大統領が首相に指名したバシレ・トファン氏率いる新内閣に対する信任投票を行い、与党「行動連帯党(PAS)」の53議員の賛成票によって新内閣が信任され、発足した。7月3日にアレクサンドル・ムンテナウ首相が辞任を表明したことを受けて行われた。
トファン氏はウクライナのキーウを本拠地に、ウクライナとモルドバで活動する民間投資ファンド「ホライズン・キャピタル」のシニアアドバイザーを務めていた実業家・投資家だ。その他の閣僚は新任・再任双方が含まれた。ムンテナウ首相辞任後に首相代行を務めたエウゲン・オスモチェスク副首相兼経済発展・デジタル化相、クリスティーナ・ゲラシモフ副首相(欧州統合担当)、ミハイ・ポプソイ副首相兼外相、ウラジスラフ・コジュハリ法相、ドリン・ユンギエトゥ・エネルギー相などが再任となった。
同日議会が承認したトファン政権の政策綱領「欧州経済、効率的な国家」では、重点分野として(1)経済成長の加速、(2)EU加盟プロセスの加速、(3)効率的でデジタル化された責任ある国家、(4)安全保障、司法、平和、(5)国民生活の向上と社会的結束を掲げた。(2)については、2026年中に全6クラスターに関するEU加盟交渉に着手し、2028年末までに加盟交渉をまとめ、加盟条約締結準備を行うことを目標としている。なお、7月時点では、第1クラスター「ファンダメンタルズ」と第6クラスター「対外関係」が開始されている。
外交政策としては、(1)戦略的パートナーであるルーマニアとの関係強化、(2)ウクライナの独立・主権・領土保全の支援と復興への関与、(3)欧州加盟や安全保障などにおける欧州諸国との協力深化、(4)中国、インド、日本、カナダ、韓国との関係強化および投資誘致と輸出の拡大などを挙げた。
22日には、サンドゥ大統領とイゴール・グロス議会議長の立ち会いの下、新内閣の就任式典が開催された。サンドゥ大統領は、新政府の活動方針は、モルドバを欧州基準に一致させることだと強調し、今後数カ月の間に主要な改革を完了させなくてはならないと述べた。トファン新首相は式典後、政権発足後最初の優先事項として、経済成長、人々からの信頼の強化、税制改革や給与水準の引き上げなどの主要な改革の実施に焦点を当てると発言した。
なお、前首相のムンテナウ氏は、2025年11月の就任から8カ月という短期間での辞任となった。自身の信念に従って職務を遂行することができなくなったと発言しているが、理由の詳細は語っていない。
(柴田紗英)
(モルドバ)
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