フランス大手航空機エンジンメーカーのサフラン、モロッコ2拠点で生産能力増強

(モロッコ、フランス)

ラバト発

2026年07月29日

フランスの大手航空機エンジンメーカーのサフラン(Safran)グループは6月、モロッコ国内の航空宇宙関連製造拠点2カ所で生産能力の増強を進めた。

6月24日にカサブランカ近郊ヌアサー(Nouaceur)のSafran Electronics & Defense工場では、3億5,000万モロッコ・ディルハム(約60億円、MAD、1MAD=約17円)を投じて延べ床面積1万7,000平方メートルの拡張工事に着手した。同工場は2015年に開設され、航空機用アクチュエーター、アビオニクス計算機、計測システム、配線機器、回転機械などの高付加価値部品を組み立てている。現在は430人を雇用し、年間約40万点の航空機部品を生産、世界の主要航空宇宙企業に供給している。新施設には15本の生産ラインが設置され、環境配慮型の施設となる予定。今後5年間で500人の追加雇用を見込む。同施設では、併せて、モロッコ航空産業職業訓練学院(IMA)や航空産業・空港物流専門職業訓練学校(ISMALA)などの教育機関と連携し、航空産業向け人材の育成と雇用促進を進めている。

一方、6月25日には、首都ラバトの東、ティフレット(Tiflet)市にある同社のSafran Aerosystems Maroc工場で、1億3,700万MADを投じた5,000平方メートルの拡張施設が開所した。同工場は17年以上にわたりアイン・ジョーラ産業団地で操業し、国際的な航空宇宙サプライチェーンを支える重要拠点の1つであり、290人超の従業員を擁する。電子機器や機械装置の組み立てを手掛けるほか、2018年のサフランによるZodiac Aerospace買収後には、高性能配管、酸素マスク、緊急脱出スライド用保護カバー、救命胴衣などへ製品群を拡大してきた。今回の拡張により高付加価値事業を導入し、2028年までに140人の雇用創出を目指す。

リヤド・メズール産業・貿易相は、ヌアサーでの投資について、モロッコ航空産業プラットフォームの競争力と魅力を示すものだと評価した。また、ティフレットでの拡張については、成長、イノベーション、産業高度化に向けたサフランとモロッコの共同の取り組みであり、同国の航空宇宙産業エコシステムの発展を後押しするとの認識を示した。

同社は2025年10月にモロッコで、世界で2拠点目のLEAP-1Aエンジンの生産工場(フランス国外初)である航空機エンジン産業複合施設(Safran Aircraft Engine Services Casablanca MRO)の建設開始式を開催している。

(鈴木優香)

(モロッコ、フランス)

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