米シカゴ連銀経済報告、5月後半~6月前半の経済活動は控えめに増加、引き続き中東情勢が影響

(米国)

シカゴ発

2026年07月23日

米国連邦準備制度理事会(FRB)が7月15日に公表した地区連銀経済報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ベージュブック、注1)の中で、米国中西部の一部地域(注2)を管轄するシカゴ連銀は、5月後半~6月前半にかけての同地域の経済活動について、報告期間中控えめに増加した(increased modestly)と報告した。関係者(注3)は、今後1年間の活動はわずかに増加する(slight increase)と予想している。

同地域の経済活動を分野ごとにみると、雇用は緩やかに増加し(moderately)、関係者は今後1年間同様のペースで増加すると予想している。関係者の多くが労働市場の安定を指摘し、製造業を含む各業界において前回の報告期間と同程度のペースで採用を行う計画であると報告した。

物価は全体的に緩やかに上昇し、関係者は今後1年間で緩やかな上昇ペースが続くと予想している。生産者物価・非人件費の投入コストはともに緩やかに上昇した。多くの関係者は、エネルギー、輸送費、化学製品やプラスチックなどの原材料のコスト上昇の多くについて、中東情勢に起因するものと報告した。

個人消費は、わずかに増加した。複数の関係者から、エネルギー価格の高騰が購買決定に影響を与えているとの指摘があり、ある関係者は貯蓄率の低下を指摘した。自動車を除く小売売上高はわずかに上昇した。小型車の販売は増加し、ほぼ前年の水準に並んだ。特にハイブリッド車の需要が強かった。また、複数の関係者は、需要の増加と在庫不足により、中古車の価格が上昇していると報告した。

企業支出は全体的にわずかに増加した。設備投資はわずかに増加し、今後1年間の支出見通しも上向いた。関係者からは、新施設、設備、ソフトウエアへの支出が報告された。生産設備やハードウエアなどの資本財を販売する関係者によると、中東情勢に起因する不確実性を理由に、一部の顧客が注文をためらっているとのことだ。

製造業の需要は緩やかに増加した。化学製品、プラスチック、ゴムの生産はわずかに増加した。一次金属(注4)の卸売業者および製造業者は、防衛部門やデータセンター建設業者への販売に牽引され、需要がわずかに増加したと報告した。

地区内での2026年の農業所得の見込みは、報告期間中に農産物価格が低迷し、家畜価格の大部分が横ばいとなったことから、いくらか悪化した。トウモロコシ、大豆、小麦の価格はすべて下落した。卵と豚の価格はおおむね横ばいだったが、牛の価格は高水準からやや下落した。

個々の調査対象項目ごとの詳細は添付資料表参照。

(注1)連邦公開市場委員会(FOMC)の開催に先立ち、年8回公表されており、ビジネス関係者などの声を基にまとめたもの。

(注2)アイオワ州、イリノイ州北部、インディアナ州北部、ウィスコンシン州南部、ミシガン州南部。

(注3)本稿に出てくる「関係者」とは、各地区連銀および支店の理事に加え、各業界の企業、地域団体、経済学者、市場専門家、そのほかの情報源を指す。これらの関係者へのインタビューやオンラインアンケートを通じて、管轄地区の現在の経済状況に関する情報を収集している。

(注4)採掘された鉱石を精錬して初めて作られる金属で、インゴットや平板などの基本的な素材に加工したもの。

(星野香織)

(米国)

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